2026年1月30日金曜日

雑記と軽い時代小説

 軽い時代小説を読み終えた。内容は軽くて、そして気持ちを軽くしてくれる。

 大好きな乙川優三郎さんの小説をここ数年読んでいないことに気がついて、3冊まとめて発注した。読んでいない本が加速的に積ん読状態になっているが、えぃ、ままよ、とマウスと左ボタンをクリックした。

 2025年度朝日賞受賞者4人の方の写真とメッセージが新聞に掲載されていた。全員が1950年代の生まれなのに全ての方が自分より老けて見える。自分は実年齢より若く見える筈という無自覚・自惚の所為なのであろう。

 上記の記事(2026..1.30『朝日新聞』)で吉田裕さんが「1世紀近い歳月が流れているにもかかわらず、戦争の検証、総括が不十分です。政府は長い間、日中戦争以降、敗戦までの全戦没者数を310万人としてきました。根拠は不明です。しかし最新の推定では、軍民合わせて376万人です」と述べられている。改めて過去の記事を読み直した。詳細は以下。https://digital.asahi.com/articles/ASTCJ2QT6TCJUTFL00DM.html

 <千野隆司 『鉞ばばあと孫娘貸金始末 取り立て伊勢参り』(集英社文庫、2026年)>:1年前に「このシリーズは無論、この作家の小説はもう読まない」とメモしていたのにシリーズ4冊目を購入して読んだ。今回はいつものメンバーで伊勢参りに向かい、途中で幾つかの事件に巡り合わせて解決すると言った形をとる。ティピカルな人物設定と予定調和的なエピソードの展開。軽ーい小説だからその分ぼけーっとした頭を尚更に軽ーくしてくれる。

2026年1月27日火曜日

ふと思ったこと

 上野動物園から珍獣が中国に渡るとのニュースが何度もテレビに流れている。別れに涙を流す人もいれば、中国に行って到着を待つ人もいるらしい。その気持ちというか感情がよく分からない。
 
  選挙戦が始まった。「政治的人間のエートスとは思想と感情が合体した精神」と断じているが、「政治的人間とは感情の中に思想というスパイスを一寸だけ振りかけて自己陶酔する人」と改めてもいる。そして多勢の珍獣がお披露目する舞台が選挙って言ったら怒られるかな?

 <エラ・フランシス・サンダース 『翻訳できない世界のことば』(創元社、2016年)>:読んでいてその「翻訳できない」ことばの情景を頭に浮かべ、その中にちょっとした物語を描いてみる。
 英米語の言葉がないのは何故なんだろう。
 夏目漱石が「I Love You」を「月が綺麗ですね」と言ったという不確かな話を思った。もしかしたら、「I Love You」を上手く翻訳できない人が漱石にこじつけたのかも知れない。そして、もしかしたら「I Love You」を真の意味で日本語には翻訳できないのかもしれない。だから、「愛してる」と発する日本語での会話にはどこかしらむず痒い、照れくさい、面と向かって口にしない(できない)のかもしれない。

ミステリー・牧之・壇蜜

 <伏尾美紀 『百年の時効』(幻冬舎、2025年)>:江戸川乱歩賞受賞作『北緯43度のコールドケース』以来に読んだ著者2冊目となるミステリー。『このミス』4位、『週刊文春ミス10』5位で、以前読んだ冒頭の小節と同等に警察内部を舞台としている。
 昭和25年函館での一家殺人事件、昭和49年の佃島一家惨殺事件、令和6年のかつての相場師の死体発見。昭和-平成-令和に跨がって事件を追及する鎌田・湯浅・草加・藤森の刑事たちが事件の連続性を追求する。途中途中に挟まれる世相や現実の事件に触れると、この小節は自分の同時代史的な感覚が滲み出てくる。
 約550頁の長編であり一気読みすること出来ず、時間的な余裕もない中で何日間に分けて読み続け、退えている記憶力もあって何度か頁を捲り直しては登場人物の描写を振り返ることとなった。
 満州、養護施設、親子の葛藤と思慕、ヤクザと銀行、病、DNA鑑定、、、、満州建国から現在までの社会世相を縦断し、個性的で魅力ある刑事たちと相俟って、作者の構成構築力や筆力に感服した。ただ最後に暴かれる佃島の事件における犯人の母への思慕は、こじつけっぽくもあり、無理を感じてしまった。そして復讐という強い動機、銀行内部組織、養護施設経営にもどこか無理を覚えてしまうのは自分の性格も背景にあるのだろう。都合よく証言する人たちのあっけらかんさにも作りの都合良さを思ってしまった。更に刑事たちを含む登場人物たちの内面描写が薄いと捉えた。なれど、楽しめた。

 <清野とおる 『「壇蜜」②』(講談社、2026年)>:2冊目の「壇蜜」。刊行前に予約して購入。飽きの来ない面白さ。壇蜜さんの不思議だけれど愛すべきキャラクター。清野さんの優しさと人への柔らかいまなざし。

 <木内昇 『雪夢往来』(新潮社、2024年)>:小説を読む楽しみが詰っている秀作。
 『北越雪譜』出版までの鈴木牧之を主軸に据え、牧之と曲亭馬琴、山東京伝・山東京山・山東京水の人物が活写される。馬琴の嫌みな性格、馬琴の癇癖な息子宗伯、甲斐甲斐しく馬琴に接する宗伯の嫁路、おおらかな京伝、兄の名声と己の能力の間で自分を見つめ続ける京山、京伝の放蕩、挿絵を担う京山の息子京水。牧之の何人かの妻たちとの関わり、牧之の友人たち。
 雪深い塩沢(南魚沼)の豪雪とその暮らしぶりを知らない江戸の人たちに向けた牧之の思いと馬琴や京伝・京山たち、およびビジネスで取り組む書肆経営者。木内さんの小説を初めて読んだ『櫛挽道守』で味わった小説の楽しみをここでも味わった。
 牧之が名付けた「鶴齢」を買ってきて今も豪雪の南魚沼の情景に浸ってみようか。

2026年1月18日日曜日

雑記

 Grateful Deadの創立メンバーの一人が亡くなった。78歳。随分前になるが、彼らの代表曲であるUncle John's Bandが好きになり、1枚のアルバムを持っている。同年代の人がいなくなるのは自分の近況を客観的に知らされるようであり、寂しさを交えたやるせなさを覚える。

 キッチン鋏の刃を洗おうとして右手人差し指の先っぽを切ってしまう。第一関節付近に輪ゴムを回して止血をし絆創膏を幾重に貼る。2日経ってやっと絆創膏を取り外し、その後は液体絆創膏で傷を塞ぐ。この間EWIの練習はできず、一方ではサボる理由にもして比較的まとまった読書の時間に充てた。

 風呂に入っていてドア下部の黒カビが気になり、二日後に徹底して浴室をクリーンアップする。3時間近くの作業。自画自賛するほどに綺麗になった。濡れた服を脱ぎ風呂に入ってドア付近をはじめとして浴室内全体を眺めれば、明るくなった気がして満足する。行動するまではグズグズとしているがやり始めると徹底するのは、掃除に限らず全てのことについて当て嵌まる自分の性格であり、家人もまた始ったのかと笑っている。
 家の中の掃除や修復で残すのは珪藻土の壁のハガレの補修。道具や材料は数ヶ月前から揃えているが、いざ始めれば一日で終わらないことは分かっていることでもあり仲々取りかかれ(ら)ないでいる。

2026年1月12日月曜日

2年連続準優勝

 ラグビー大学選手権は明治に完敗。対抗戦に続いて負けたのは屈辱でもあろう。矢崎のシンビンは厳しい判定と思い、その後で服部が空中でタックルされたプレイがペナルティにとどまったのは意外だった。判定の差異に違和感を覚える。前者はTMOで後者はレフェリー判断でその差異があるのではないかとも思ったが、是非は分からない。
 ハイパント多用に試合運びの拙さを感じた。リードされ、ハイパントを何度もキャッチされ、セットプレイでは劣勢であってもハイパントを繰り返し、ラックからの球出しも遅いし、帝京戦との違いが露だった。キックではなく矢﨑やWTB田中やCTBを走らせ左右の展開をすべきではないのかと何度も思った。明治に3トライ目を取られた時点で観戦をやめた。追いつける気が全くしなかった。
 帝京戦がとても上手く運んだのでその延長線上で戦おうとし、全体的に気の緩みというか、勝てる期待感が先走ったのではなかろうか。矢﨑や服部のハイパントを責めるのではなく監督・コーチ陣の戦略ミス、あるいは途中での切替判断ミスという思いがある。2年連続の準優勝。
 勝手な思いではあるが監督をはじめとして体制の刷新となるのではなかろうか。次期監督は誰か、次期主将は誰かという気持ちが出てきた。監督については交替可否も含めて分からないが、次期主将は清水健伸?松沼?
 期待を込めて来季も早稲田は強い筈。理由は今季の主要スタメンから脱ける4年は5人(野中・福島・栗田・田中・糸瀬)で、リザーブを含めると8人。野中と福島が脱けるCTBには誰がポジショニングされるのか、課題の一つであろう。池本がWTBからCTBにまわるような気もするが。
 2026年度新入部の情報は少なく、まだ3人しか分かっていない。

2026年1月5日月曜日

元旦から5日まで

 元旦恒例の全日本実業団対抗駅伝と全国高校ラグビー3回戦をテレビ観戦して夕方になる。ラグビーは4試合とも予想通りの結果となる。準々決勝の組み合わせも決まり4校の予想を立てる。果してその結果はどうなるか。大した根拠もなく決勝は桐蔭と東福岡の戦いになるような気がしているのだがどうだろう。
 準々決勝の予想的中は國學院栃木が負けたために3/4。

 2日は箱根駅伝往路と3日はその復路。早稲田が16年ぶりの往路優勝かと思われたが青学の走者の想像を超える走りで逆転され、18秒差の9年ぶりの2位。早稲田記録を更新しているので素晴らしい結果と言っていいだろう。4区を走ったスーパールーキー鈴木琉胤が区間記録にあと1秒と迫る結果で来期以降が大きく期待できる。総合順位は昨年と同じ4位。
 青学は往路も復路も総合も新記録で素晴らしいし、監督の選手リクルート・育成・戦略は凄いと思う。が、これからまた暫くは原監督の饒舌がテレビで流れるのではないかと思うとちょいとうんざり。まぁ見ないのであるが。
 今春、早稲田にはスーパートリオが入部するらしい。期待が膨らむ。

 2日の大学選手権準決勝、早稲田VS帝京は早稲田が31(4T1G2PG1DG)-21(3T3G)で勝利。好ゲームであった。前半の早稲田は反則ゼロ(全体では5)。この高い規律も勝利に大きく貢献したのであるが、翻れば規律の高さは練習とそれに基づく意識の高さに帰するのであろう。
 明治が京産大に勝利して(37-19)決勝は通年より盛り上がること間違いなしの早明対決。京産大はまたもや決勝に進めず、12回目の準決勝敗退。

 4日、息子・娘の家族一同が我が家に会し、毎年恒例の自宅でのちょいとした正月宴会。楽しい。

 高校ラグビー準決勝を観戦。予想(期待)に反して東福岡が京都成章に完敗。後半に入って連続してトライされ東福岡は京都成章に翻弄されていた。
 第2試合の桐蔭vs大阪桐蔭は素晴らしい緊迫した激戦で楽しめた。大阪桐蔭の鮮やかな逆転トライ、そして桐蔭の最後の連続してフェーズ重ねた逆転トライ。この好試合はまた見たくなるであろうと思いBDに取っておく。勝った方も負けた方も涙を流し、特に大阪桐蔭主将は声を上げて涙をぼろぼろと落としていた。こんないい試合には滅多に触れられない。

 <野宮有 『殺し屋の営業術』(講談社、2025年)>:2026年最初の小説。江戸川乱歩賞受賞、このミス19位、文春4位。今までに読んだことのない類の小説。
 殺しの現場に出くわした鳥井が殺し屋どもに殺されかけ、負債(上部からの要求)を抱える彼ら殺し屋企業の営業マンとなって2週間で2億を稼ぎ出すために動く。登場するのは殺しを依頼するダークな企業とそれを請け負うライバルたち。物語は彼等/彼女等と殺し請負の営業力を競い騙し合う。新しさを感じさせられる小説ではあるが、マンガっぽいエンタメ小説はこれでお終い。
 作者はどんな人かとネットで調べたら、既にプロとして作家・マンガ原作者として活躍しているらしい人であり今年で33才になる。

2025年12月31日水曜日

今年最後のメモ

 花園高校ラグビー、全試合をみる時間はないのでJ SPORTSオンデマンドで早送り、或いは後半のみを観戦。1回戦の勝敗予想は24試合中19試合を的中。早稲田実業は石見智翠館を下す。埼玉県代表の昌平と慶応はどちらも勝利。かつては深谷や熊谷、時に行田工業が花園に登場したが今はすっかり様変わりした。
 2回戦は予想が12/16の的中率。秋田工業は0-73で御所実業に完敗。何かにつけ秋田県は沈んでいるような気がしてならない。根拠のない勝手な思い込みだが秋田大学の鉱山学部が工学資源学部(現在は改組)に変わった頃に符合していると感じている。
 早稲田実業は予想以上に東福岡といいゲームを展開した。早稲田大学の底上げを期待する。慶応は初出場で2回戦突破。対戦組合せが恵まれているとも感じたがこれは失礼な感想であることは承知している。シード校の佐賀工業が東海大仰星に6-7と惜敗。

 1月2日の大学選手権準決勝のメンバーが発表された。スタメンもリザーブも予想通りのメンバーが発表された。

 富士山女子駅伝を楽しんだ。トップ3校(城西大・東北福祉大・大東文化大)が競っていてテレビ放送を見ていて彼女らの走りに感動もする。だが、どうしても彼女らが幼く見えるのはこちらが年齢を重ねているせいであろう。

 31日午後、近くの店にお茶を買いに行く。歩いても1000歩ほどのごく近くだし、いいやと思ってルームウェアのままに、いつもと違ってショルダーバッグを使わずに安易に尻のポケット財布を差し込んで車に乗った。店内でさっさとバスケットに商品を入れてレジに向かって会計を済まそうとしたら財布がない。車の中の運転席に落としたと思いすぐに駐車場に戻り車のドアを開けるも財布はない。店内の歩いた経路を探すもない。作業をしていた店長らしき人に尋ねるが、ない。もう一度駐車場に行ったら運転席ドアの外側すぐ近くに落ちていた。免許証から何枚かのクレジットカードも入っているので冷や汗が出た。見つかったときはホットして汗ばんでいることに気付いた。店の人にお騒がせしたことを謝罪し店を出たが、何時もと違った行動パターンを取るべきではないとつくづく感じ入った。ホントに焦った。

 <若竹七海 『まぐさ桶の犬』(文春文庫、2025年)>:『このマンガがすごい!2026』5位ということで購入(因に文春ではランク外)。著者の本では2018年末に『錆びた滑車』を読んでいて、面白い、よく練られているとメモしているも主人公・葉村晶の容貌が頭の中で作れなかったとも書いてある。その本のことは全く記憶になかった。で、今回手に取った本は5年ぶりのその葉村晶シリーズなのであるが、読み切れずに途中で、しかもかなり早い段階で投げ出してしまった。こうもきっぱりと読むのを止めるのは珍しいこと。主人公をはじめ登場人物の設定にどうしても苛だってしまい、饒舌さにも嫌気がでてしまい、それらの嫌悪感が気持ちの中に粘り着いてしまい頁を捲るのが苦痛になった。こうなるともう駄目で読み続けることができなくなった、という次第。 

  <櫻田智也 『失われた貌』(新潮社、2025年)>:『このミス!2026』と『文春』の両方でダントツの1位。顔が潰され、両方の手首も切断された死体が遺棄されていた。二つの警察署が競いながらかつ協力しながら死体の特定と犯人を追っていく。行方不明となっている男とその妻と子、そして彼女の友人とその子たちが絡み、かつての未解決事件も入り組んで日野係長は犯人を追い詰めていく。
 日野とその部下である優秀な女性刑事、生活安全課課長、県警の管理官(検死官)、日野の上司、死体発見者の家族問題、日野の家族等々、それぞれの個人・家族が抱いている問題、刑事たちの互いの距離感、女性刑事の感性が活写されている。張り巡らされた伏線が頁を進める中で次第に解き明かされるストーリー構成、会話の巧みさもありとても楽しめた。映像化されるであろうし期待したい。傑作ミステリー。