2023年5月30日火曜日

洗車、メルカリ、漫画と小説

 いま使っている車を買ってから初めて洗車・ワックスがけをした。一度やりだすと徹底的にやりたくなる性分なので疲れた。終わってからは予定になかったことだが、連れ合いの飲むんでしょ、という言葉で火がついて半分ほど残っていた焼酎のボトルを空けた。いつもよりは早めに寝た。

 9点の物品をメルカリに初めて出品した。30年以上も前に購入して愛用したカセットデッキや、10年以上も前に使っていたスピーカー、エレキギター関連のグッズ、アンプ、BDやDVDのボックスセットなど。なんと3週間ほどで8点が売れた(残り1点は多分売れないだろう)。手数料・配送料を差し引いた利益は44,000円超となり自分でもびっくり。利益率は約75%。
 機材関連は一度中古品取り扱い店に持ち込んだが古いことなどもあり買い取りを拒否されたもので、そのときはゴミとして棄てるよりは只に近い金額でもいいと思っていたので、今回のメルカリ出品は大成功。
 終活に向けて、多量にあるCD、使いこなせていない楽器、余分にあるオーディ機器などなど、家族(息子や娘など)が不要と言えば時間をかけて処分していこうか、という気持ちが少し出始めている。

 <ウルバノヴィチ香苗 『まめで四角でやわらかで 上』(リイド社、2023年)>:帯に「江戸に流れる時間はかくもつましく愛らしい」。この惹句の通りでホンワカとユッタリとしたひとときを過ごせる。下巻は一年後の春の予定とある。のんびりと江戸の情景を思い浮かべながら待つとしよう。

 <藤原伊織 『ダナエ』(角川文庫、2023年/初刊2009年)>:『テロリストのパラソル』(1995江戸川乱歩賞、1996年直木賞)を読んだ28年前1995年11月のメモには読後感も何も記さず、ただそっけなく「'江戸川乱歩賞受賞作」としか書いてなかった。 本文庫本には「ダナエ」、「まぼろしの虹」、「水母」の3編が収められている。3作とも小構成として無理があり、無理矢理にジグソーパズルのピースをはめ込み、それらしき1枚の、鑑賞に堪えられる絵に仕上げたという感じがする。

2023年5月25日木曜日

媚びず僭らず・・・・・、諺、文庫本

 あることを話題の中心において友人たちとメールのやりとりをしていた。そこに書かれていた一人の言葉がいい。「今俺は猫のように生きていければと思っている。媚びず、背伸びせずマイペース。人とは適度な距離でゆったりゆったり歩んでいければなんて、人生いろいろですよ」と。
 そう、媚びず、僭らず、知らないことには慣れるようにしても狎れずに、身近な人には利他的であり、自立を基本において常に自律的であろうと思う。

 <金井真紀 『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った』(岩波書店、2022年)>:どこかで見たことのあるイラストと思っていたら、『世界ことわざ比較辞典』(岩波書店)のイラストを描いている人と本書の著者は同じだった。同じ岩波書店の、先日目を通した『解きたくなる数学』と同様に、写真とイラストの違いはあるにしても内容(本文)よりもそれらの装飾が豪華で随分と割高となっている一冊である。
 書名となっているフィンランドの諺は「意外なところに道がある。解決策はひとつではない」の意味。気に入ったものを幾つかメモする。「慶良間は見えるが、まつ毛は見えない」(沖縄)、「良いことをしたら水に流せ」(善行の見返りを求めるな、アルメニア)、「面と向かって緑色のことを言う」(思っていることを率直に言う、ルーマニア)、「よく食べ、しっかり糞をすれば、死は恐るるに足らず」(スペイン)、等々。・・・前記の『世界ことわざ比較辞典』を暇に任せて時々は開き、諺の意味の深さをはかってみたり、国の違いによる文化の表皮をなでてみようかと。

 <千野隆司 『鉞ばばあと孫娘貸金始末』(集英社文庫、2023年)>:面白いのだけれど今ひとつ物足りない。かつては美人だったらしく、謎ときの頭がさえていて、自分の稼業に基準を設けているお絹(鉞ばばあ)と、好奇心旺盛で看板書きの技術を持ち、可愛げのあるお鈴(孫)のキャラクターに具体的イメージがくっきりと頭に浮かんでこない。今は読まなくなったが鈴木英治の小説を読んだときには登場する女性が魅力的でそれなりのイメージを描いていたが、本書ではそれが不足している。登場人物全体にそういえる。多分に細かい所作・仕種の描写が欠けているのだろう。例えば、お絹が鉞を磨くときにちょいと自分の顔を写して利息取立の意欲を出すとともに昔の若かった頃の自分を思い出すとか、そんなことをさり気なく書けば少しでも小説の中へ誘われるのではなかろうか。だから、読んでいて台本のト書きを読んでいるような気分になるときがあった。筆力とはそういう描写力のことなのでもあろう。

2023年5月16日火曜日

文庫本ミステリーと『絶滅動物物語』、LGBT理解増進法案

 <青崎有吾 『11文字の檻』(創元推理文庫、2022年)>:表題作については、よくぞこういう仕掛けを作るものだと感心するが、あくまでも謎ときだけのパズルめいた小説。全編を通して感じたことは、作り手側の小説を作る楽しさは伝わってきた。読み手側としてはその楽しさの中に埋没できなかった。

 <うすくらふみ 『絶滅動物物語』(創元推理文庫、2022年)><同 『絶滅動物物語 2』(創元推理文庫、2023年)>:新聞の広告で目にとまり2巻目も含めてウェブにて発注。評判がいいためであろう、在庫なしで取り寄せとなっており、送られてくるまで日にちを少々要した。
 肉が美味い、生活の邪魔になる、有害だなどの人間の勝手な欲望と論理で絶滅する動物が多くいる。人種までも住む地から消滅させてしまう。つい最近もその種を絶やした動物がいる。命がたやすくも絶たれることに複雑な思いがする。何故か、それは日常的に食するのだって結局のところは他の命を頂戴しているのだから。でもある人種が滅び絶滅すると言うことはただただ複雑な思いで悲しい。それ以前に差別がある現実が悲しい。
 読み終わったその日、娘の本好きな長女に読むかとLineしたら「よむ!」とすぐに返ってきた。ニキビがちらっと見える中学2年の彼女はこの本を手にしてニコっとしていた。どういう感想を抱くのだろうか。

 LGBT理解増進法案に呆れてしまう。LGBTの人たちへの理解を増進するための法案だというが、法がなければ理解できないのだろうか。差別に苦しんでいる人たち、あるいはLGBTの存在をなんの抵抗もなく認めている人たち、また外国に向かって、パフォーマンス的に、LGBTの理解を促す法を制定するようにしていますってやってる感を出し、そのための手段として言葉を弄んでいるように見える。またその一連の行動はある種の恥の上塗りをしているようにも思える。
 そもそも、LGBTと一括りすることに無意識的な差別感が埋没しているような気もする。
 不当な差別というけれど正当な差別、不当でない差別とは何だろう。自民党保守派と言われている人たちに「性同一性を理由とする”正当”な差別、あるいは“不当でない”差別」とはどういうものなのか例示して欲しい。彼らは法案とか差別とかそんなものは横に措いて、自分たちの集団の存在をアピールしたいだけではないのか。言ってしまえば、LGBT理解増進法案というそのものに素直に首肯できない。

2023年5月10日水曜日

絵の本、新書、数学の本

 <狩野博幸・河鍋楠美 『反骨の画家 河鍋暁斎』(新潮社、2010年)>:猫の顔が大きく描かれた表紙に惹かれて随分前に購入した。パラパラと摘まみ食いはしていたが、改めて解説文を読み、絵を眺めると楽しく、美しく面白い絵に魅了される。技量はもちろん自分の内面を絵に表現する芸術性に圧倒され、そしてつくづくその能力が羨ましい。

 <森達也 『集団に流されず個人として生きるには』(ちくまプリマー新書、2023年)>:若い人向けに書かれたもので、年齢(経験と言ってもいいだろうヵ)を重ねた我が身にとっては自分の考えを再確認し且つ著者の考えに首肯する。最初から最後までそういう姿勢でページを読み進めた。

 <佐藤雅彦他 『解きたくなる数学』(岩波書店、2021年)>:内容と凝った装丁と価格を思うととても贅沢な本。数学的には平易であり、解きたくなってしまって解けてしまう課題もあった。もちろんハッと気づかされる解法もあり短時間ではあるが楽しめる。

2023年5月9日火曜日

メルカリ、不味い酒、整形外科、コロナ、ビール

 1日、メルカリに初めて出品した。全部で9点を順次出品手続きをしていったら、1点についてはアップロードして5分くらいで購入となった。さらにもう1点は20分ほどで売れた。そして1時間少し経ったら3点目が売れた。あまりの早さに驚いた。特に、最初に購入がついたものは比較的高い価格設定をしていたし、50年以上前の映画のDVDセットであったし、メルカリには出品されたこともないものなので、多分売れないだろうと思っていた。それだけに早い購入が意外だった。
 翌2日、3点の発送手続きをした。送り元も送り先も匿名で、埼玉県から送るということ以外は届け先も全く分からない。よく出来ているシステムであると思うのだが、一方では人と人の繋がりが無機的になっているとも感じた。
 3日、4点目のBlue-Ray Boxが購入された。これは取引完了後の7日にBDが再生されないので返品したいとのメッセージがあり、何度かやりとりがあった後に事務局から返品プロセスが提案された。しかし、こちらの非を認めない理由を述べ、返品には応じないと比較的長いメッセージを送り、それを購入者も受け止め落着となった。こちらへの反論手段がなかったのだろう。
 6日、使用していないスピーカーがあることに気づき、それも売ってしまおうと手続きをしたら、手続き終了後1分も経っていないのにすぐに購入され、非常に驚いた。何かこっちの手続きにミスが生じたのかと自分を疑ったほどである。
 9日現在、取引中はなく、出品中となっているものは4点。すべて「いいね」を付けられているが、購入されるのか否かはもちろん分からない。

 コーラとウォッカのクラフトコーラサワーを衝動買いして飲んだ。結果、オレには不味いの一言。同時に購入したウォッカといよかんのリキュール、前者よりは少しましだがやはり不味い。糖類を加えたアルコール飲料はダメなことを再確認した次第で、もう買うのは止めよう。口直しにコーヒーで口の中を洗浄した。

 8日、3年ぶりに近くの整形外科へ。目的は次の二つ。①左足踵の痛み:鎮痛薬が3年以上前に処方されたものだし、経皮鎮痛消炎剤はなくなってしまった。それらを新たに処方してもらおうと思った。②右足指先の違和感:ごく軽度であるが妙に気になる。
 レントゲン撮影と触診などで下られた診察はつぎのようなもの。①は予想していた通りで以前の症状の再発。踵の後部と底部に骨棘がありそれが炎症を起こしている。足底の方に痛みが出ず、踵後部だけに痛みがあるのが不思議。多分足底に出たらもっと痛いだろうからこれ幸いというべきかもしれない。②は腰から来るごくごく軽度のものだとのこと。薬はあるけどどうするかと聞かれ不要と応じた。

 同じく8日。この日からコロナ5類となった。葬儀に参加する用事のある娘から彼女の長男Tの病院への送迎を頼まれた。Tは元気だが熱があるということで病院に行くことにしたとのことで、結局はコロナ罹患と診察された。今日から負担樋用が増えたのにとぼやきも出ていた。大学に連絡したら今週の通学を禁止されたらしい。彼の妹は、前と違って通常の通学であることに不満であるらしい。休めれば好きな読書に没頭しようと期待していたのかもしれない。

 連休で息子一家が山中湖にキャンプに行き、そのお土産でふじやまビール1リッター缶を頂戴した。翌日(7日)にそのビールと、最近よく買っているアサヒの生ビールマルエフ500mlを昼に飲む。飲み過ぎであることは自覚しているが。美味い。クラフトビールも最近よく飲んでいる。中心はヤッホーグループのもの。割高だがこれまた美味い。まだ全銘柄を堪能していないので制覇を目指す。

2023年5月2日火曜日

(いつものパターンの)雑記と読書

 半年ぶりに本を買い取りに出した。全32冊で予想とほぼ同額の5,463円の査定がついた。

 4年ぶりに左足踵後部が痛み出した。無意識に足を引きずる。多分、アキレス腱と踵骨の接合部における踵骨棘の再発。整形外科に行っても経皮吸収型鎮痛抗炎症テープと経口鎮痛薬を処方されるだけと思うと病院に行く気がない。前のように自然消滅を待つしかないだろう。

 先月4月28日、熱いものを飲食すると最近治療した奥歯が痛む。急遽歯科医院に行く。
 1日朝、眼がゴロゴロするというかゴミが入っているようで涙が止まらない.水を張った洗面器に顔をつけて眼をパチクリしても異物感は払拭できない。しようがないので近くの眼科医院に行って治療してもらったら小さな石のようなものがあったとのこと。取り除いてもらったら異物感は解消した。
 歯、,眼ときたら普通はセットでもう一カ所の不調を想像することになるが、それについては書くまい。

 <永井義男 『秘剣の名医〈14〉蘭方検死医 沢村伊織』(コスミック・時代文庫、2023年)>:殺しの舞台は上野下谷広小路や不忍池。刺殺された男、池で見つかる女の死体、行方知らずの少女。3月25日に上野公園から花見会会場まで池のほとりを歩いて目にした景色や、過ぎ去った時間を思い出して読んだ。
 江戸の情景や交わす言葉の雰囲気を味わいながら、かたちは変えても人々の暮らしは今に繋がっていると妙に感傷的になった。一方、この小説は時代推理小説なので、個々の場面の繋がりを楽しんだ。

 <田坂広志 『死は存在しない』(光文社新書、2022年)>: 
 Zero Point Field、Synchronicity、Constellation。唯識思想、末那職、阿頼耶識、アーカーシャ、、、、。死と私、自我と真我、、、、。科学と宗教。
 What is death ?
 To answer the question, we need to ask another question, What is I ?

 <篠田謙一 『人類の起源』(中公新書、2022年)>:楽しめたし、勉強になった。旧人類で絶滅したネアンデルタール人とデニソワ人を改めて思いだし、ホモ・サピエンスの地球上での拡がり(あるいは分散)も再確認。特に日本人はどこから来たのかは時間を忘れて読んだ。本土・北海道・琉球のそれぞれへの人類の拡がりは現代に繋がるシナリオ構成として読んで、強く引きつけられた。
 現代における縄文人と弥生人の区別とその区別する意味、人種と民族を混同する無意味さ、現在を到達点のごとくに過去を見ること、また現在と過去の違いに価値をを持たせることの誤り、さらに人為的な基準を設けることや科学的・客観的な装いをもって恣意的な判断を下すことの誤謬など、これらを指摘する著者に共感する。