2020年6月27日土曜日

雑メモ、『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

 娘から青梅と氷砂糖をもらった。2年前に作って殆ど手を付けていない梅酒は焼酎ベースなので、今度はウィスキーで作った。ウィスキーを変えるとどうなるかとの遊びもあって、Ballantine’sとJim Beamの2種類。

 トイレのタンクの自動洗浄モーターが動かない、と思ったら翌朝には正常になり、一日おいたらまたダメになる。これは直さなくちゃと、まずは原因がモーターそのものにあることを確認し、メーカーのパーツセンターに連絡。だが、このモーターは個人には出荷せず、業者の施工になると言われてしまった。業者に頼むと部品費のほかに出張費とか技術料とかが嵩むはずので、自分が直せると己の知識と技術をアピールして交渉し、何とか特例として送ってもらうこととした。便座も自分で修理交換したし、たかがモーター一個で業者の高くなる修理費を払うつもりはない。そしたらば、翌日にまたもやモーターは正常に動くようになった。3日後に部品が届いたがまだ交換しないで済んでいる。不具合が再発し,交換したいのだが、複雑な気持ち。これも「マーフィーの法則」の一種なのか。

 配布されたアベノマスクに虫がいたとの記事を見て、矢張りと思い、アベノマスクを未開封のまま廃棄。
 運試しにマスクの抽選に応募。SharpもAOKIも当選しない。抽選待ちはMIZUNOだが、多分ダメだろう。

 ケーブルテレビのSet Top Box内蔵のHDD再生不具合が生じる。以前より発生していたが小さな障害だし、こちらの操作異常かとも思い長い期間放っておいた。しかし、最近頻度が多くなってきたので技術サポートセンターに連絡。その日のうちに来て下さった。しかし、不具合が再現しない。でもSTBをリセットしているデータが確認でき、結局はHDD不具合が疑われるということでSTBを交換。レンタル品はこのような時に有効である。

 本を買い取ってもらう。今年に入って3回目で計59冊。

 マリリン=モンローのDVD12枚セット+1を購入し、日を置きながら夜に自室で観ている。Shocking Blueの13CD BOXも買ってしまった。60年後半から70年全般の空気が耳元に流れる。

 <管賀江留郎 『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか 冤罪、虐殺、正しい心』(洋泉社、2016年)>:直前に読んだ本のメモを取るのにかなりの日にちを要し、そしてまた今度も約520頁の本書を読むのに長い時間をかけてしまった。
 読み始めると冤罪事件や殺人事件-二俣事件と浜松事件-に多くの頁が割かれ、そこには拷問刑事として著名な紅林麻雄刑事や時の警察、弁護士などが詳説され、法医学者も糾弾される。書名にある「道徳感情」が何を意味しているのか、読み進めてもよく分からず、この本はかつての冤罪や殺人に関する詳細な解説書なのかと肩すかしをくらったような気持ちもあった。が、「13 進化によって生まれた道徳感情が冤罪の根源だった」に入ってやっと理解できた。ベースにあるのはアダム=スミスの『道徳感情論』であり、あとがきから引用すると、本書は、「冤罪すべての根本原因を解き明かし、さらには冤罪や殺人だけでなく、大恐慌や戦争、テロや革命に至る人間の歴史を動かす原理が<道徳感情>であるなどという」「人間の壮大なる統一理論を展開」するものである。大恐慌や戦争、テロや革命に関してこうも<道徳感情>や<認知バイアス>で言い切ってしまっていいのだろうかとも思うが、一方では所詮人間のやることだから突き詰めれば単純なことなのだろうとの首肯もある。

2020年6月20日土曜日

踵骨棘、『ルシファー・エフェクト』

 13日に約一ヶ月ぶりにまたもや左踵が痛くなり、二日間は歩くのが辛かった。鎮痛剤と消炎剤(どちらもロキソニン)が少なくなったので月曜日(15日)にいつもの整形外科医院に行った。レントゲンをとって原因はいつもの踵骨棘。これはもう体質的なものなのかもしれない。昨年の3月は左踵でこれは暫く続き、今年に入って3月は右踵、5月に左踵、そして今度。以前は一旦症状が出ると暫く長い間は痛みが続いたが、今年に入ってからは症状がでても1週間も経たずに痛みがなくなる。医者は、痛みがひいたら歩いて体重と中性脂肪を減らせという。次に痛くなっても、体重が目に見えて減っていないとこの医院には行きづらくなってしまった。
 17日に約1時間6.2kmのウォーキングを10日ぶりに再開したが、今度こそ続けてやろうとしている意欲を削ぐように翌日から二日間は雨になってしまった。怠け癖のある気持ちに天邪鬼な天気、明日は晴れるか。

 <フィリップ・ジンバルドー 『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』(海と月社、2015年)>:参考文献一覧を除いた本文だけで750頁強あり、読みごたえのある分厚い本、数年前に購入した本書をやっと読み終えたという感じである。「スタンフォード監獄実験」について半分以上の頁数が割かれ、次に「アブグレイブ刑務所」、そして「悪をめぐる実験の数々」では「青い目茶色い目実験」、「ミルグラム実験」なども概説されている。
 スタンフォード大での実験は、これをモデルにした映画『エクスペリメント』を観たことがあるので概要はほぼ理解していたし、イラク戦争後の「アブグレイブ刑務所」もあのおぞましい写真の記憶がある。言ってしまえば”人間はおかれた状況でどうにでも変わる”し、「悪の陳腐さ」もハンナ・アーレントで一般化された。
 人間および人間社会の業とでも言えばいいのか、それを詳しく読むことができた。しかし、この本に描かれる人々の所業は別世界の極限状況下で出現するのではなく、相似的にさまざまな場面で確認できる。即ち、システム化された中ではいかようにも観察できる。悪しき状態に引っ張り込まれないようにするには第16章の「望まない影響力に抗う方法を身につける」の10項目を心することである(原文ではwww.lucifereffect.comで確認できる)。簡単に言ってしまえば、システムの中で自立・自律することであり、その方法論がその10項目であろう。

2020年6月12日金曜日

長髪化断念、特別定額給付金、文庫本3冊

 伸びた髪がうっとうしくなり、若い頃に回帰せんとした長髪化は断念した。今年初めての、約半年ぶりに散髪をする。髪を切ってくれる人のマスク姿は何ら違和感はないが、鏡に映り、はさみを入れられている自分のマスク顔にはやはり違和感よりも異常の空気を感じ取ってしまう。
 深夜、特別定額給付金が振り込まれた。振り込まれたことを知らせる、ゆうちょ銀行のスマホ通知音がこうるさい。10万円/人で助かる人・家族、一方ではボーナスとしか感じない人たちもいるわけで、ある種の不条理な世の仕組みを覚える。

 <山本巧次 『留萌本線、最後の事件 トンネルの向こうは真っ白』(ハヤカワ文庫、2020年)>:存続が困難とされている留萌本線であって、最早廃線は不可避であろうからと「最後」が書名に付けられているのだろう。廃線反対を訴えるために峠下トンネルの中に車両を止めてハイジャック。かつて鉄道を利用した炭砿などへの郷愁を感じさせられるところはあるし、犯人たちと道警のやりとりはそこそこ面白かった。しかし、若い女性ふたりの軽さや、私欲で権力を使う代議士、癌に罹っている犯人などの設定に安易さを感じる。
 初めての、名も知らなかった作家で、期待を抱いていたが、西村京太郎的作風と捉えた。

 <都築響一 『独居老人スタイル』(ちくま文庫、2019年/初刊1913年)>:ここに登場する独居老人たちはいずれも「我が道」を確実に持っていて-故に中には奇人変人と呼称される人もいるが-、色気があって依怙地(意気地)であって、この世はこんなものさとの諦観を秘めている。著者は現在60代であって、70歳になるころの自分を「ご近所からはなんとなく不審な目で見られ、金銭的にもラクにならず、本人だけはハッピーだと思っている」と確信に近い予測を行っている。そこで71歳になっている(独居ではない)老人である自分がこのような本を読んでいることに何かしら気恥ずかしい場違いな気持ちになっている。本書に書かれる老人は確かに独居ではあるけれど、「独居」というのは独り居することではなく、どこにも寄生することなくまた他に追従することなく、独りとしての生き方を探し続けることであるはずだ。

 <井上ひさし 『十二人の手紙』(中公文庫、2009年/初刊1978年)>:なんとまあ、井上ひさしの本は23年振りのこと。そして本書の初出は1977~78年のことだからもちろん時代的古さはある。その頃の自分は転職(正しくは転社)活動真っ最中で、長女が連れ合いのお腹の中にいた20代後半であり、たった42年前という時間経過であり、現在と当時との時代の隔たりは然程感じないで読んだ。それよりも上手い連作集であると感じ入るばかりで、特に「玉の輿」で書かれる通信文の多くが書物からの引用であることに著者の洒落気というかイタズラ心というか、エヘヘとほくそえむ著者の出っ歯で眼鏡の顔が浮かんできた。楽しめる。
 携帯電話もない時代、手紙が主流だった時代が懐かしい。相手に伝えるべき言葉・文章を何度も考え、受け取った手紙の行間から相手の意図や気持ちを読み取り、自分の表現力の低さにため息をついていた頃、今よりはまだ言葉の重みがあった。スタンプで置き換えられるか、短い文章でチャッチャと済まされる現代において、便利さと共に失ってしまったことはとても大きいと感じる。当時多くの人が持っていて今は失ってしまったもの、そして当時持っておらず今得ているもの、それらは個々人の意思伝達システムという側面ではバランスがとれていないと感じる。

2020年6月5日金曜日

雑記

 2日、アベノマスクが届いた。嗤笑。使うことはない。

 <都留泰作 『竜女戦記 1』(平凡社、2020年)>:『ムシヌユン』以来、2年ぶり。このシリーズも6巻ほどになるのであろうか。主婦”おたか”の天下取り物語。平凡社のコミックは珍しいのでは。