2022年9月30日金曜日

知人の病、本2冊

 月に一度短い会話をする知り合いがいる。1歳下の男性で、静脈瘤の話しをしたりしていて、最近は彼の万全とは言えない体調に関することが多い。又、彼の老齢の母親がほぼ寝たきりになっていることも話されていた。
 数日前も最近の体調はいかがですか、ということから始まったら、彼の奥さんがどうも認知症を患ってきたようだ、しかも症状のすすみが早いと言っていた。間違いを指摘すると奥さんはとても怒るし、寝たきりの母親の面倒も見てもらっているので強いことが言えないし、病院に行くこともとても口に出せないと言う。料理の順番も分からなくなってきており、最近は炊事をしなくなっていると言う。お湯を沸かしっぱなしにしていたこともあり、ガスをいじることがとても心配だとも言っていた。几帳面で真面目な人ほど認知症の進行が早く、彼の知っている二家族もそうだったと言う。
 暗い話しになったので話題を変えようとしたが、彼は奥さんのことを話し続けていた。苦しい心情を誰かに話したかったのではないかと思う。この文章を書いている私の連れ合いの親しい友人も緩やかに認知症がすすんでいるらしい。どうしようもないことだが身につまされる。

 上記のことと同列に書くことではないかもしれないが、親しい友人二人が癌に罹患した。一人は入院治療中。一人は転移もなく自宅で普通に生活し、切除手術待ちであり、手術後は完治すると言われているらしい。
 会社勤めの頃、親しい同僚二人が胃癌に罹り、手術後に二人を交えて話しをしていたとき、二人が切除した部位の大きさを口に出していたことを思い出す。完治するとみられる病気の場合は笑いながら話しができるし、あっけらかんとしたものである。前記の手術待ちの友人とも電話で話す内容に暗さは皆無だった。
 恙なく残りの人生を完うしたい。

 <ヴィクトール・E・フランクル 『夜と霧 新版』(みすず書房、2002年)>:安易に感想を書くべきではないし、読後の複雑に入り交じった感情を言葉で表現できない。

 <佐高信・佐藤優 『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える1000冊』(集英社新書、2013年)>:佐高信が一言話し、佐藤優が豊富な読書量と博識さに裏付けられた見解を応え語る、という感が強い。歴史の中であまり知られていない(自分が知らなかった)事実、外務省や国会議員たちの品位のない振る舞いも話される。リストアップされている本に、既に読んでいた本、読みたくなる本、読まなくてはならない本・・があり、それらの書名と簡単な解説にいつでもアクセスできるようこの新書は辞書と並べて本棚においておく。
 (いつものように)幾つかの言葉をアフォリズムとしてピックアップし別途まとめておく。

2022年9月25日日曜日

自室のオーディオ構成

 十数年にわたってオーディオ機器に遊びすぎ、結線が複雑になってしまっている。自室のオーディオの構成は下図の通りであり、時折この図を見て操作確認しないと音が出ないことがある。もう増えはしないだろうと思っていたが、簡便な操作で遊びたくて『ステレオ』誌付属の安価なLUXMAN製グラフィック・イコライザー(EQ)を購入した。ハイレゾの構成には割り込ませずに支流とも言えるラインに追加した。ケーブルは眠っていたある程度グレードの高いコンポーネント・ケーブルを短くしRCAコネクターは付け替えた。

 ボーカルの曲に5バンドの周波数をいじっていると好みの趣となって楽しめる。クラシック系に手を加えることはないが、ポップス系、ジャズ系は周波数バンドを変更すると楽しめると思う。

 購入したEQを選択するまでには中古品も含めていろいろなものを探しまくった。しかし、昔と違ってルーム・オーディオ向け商品はごく限られ、結局はここに落ち着いた。

 長年にわたって修正・追加・変更を加えているのでブロック図はスマートでない。工夫すれば分かりやすい綺麗な図になるのだろうが、この図に慣れ親しんでいるので新たにレイアウトする気にはならない。




2022年9月24日土曜日

戦争漫画とバカな店長

 <矢口高雄・バロン吉元ほか 『幻の戦争漫画』(詳伝社新書、2022年)>:バロン吉元・木村直巳・矢口高雄/小池一夫・北川玲子・川島れいこが1971~2005年に描いた5編。木村直巳の「銃後15の春」がもっとも好みである。作者紹介を見て、彼は『監察医 朝顔』と『新おみやさん』の作者であり、彼の描く世界になるほどと思う。最も長いものが矢口高雄/小池一夫の「燃えよ番外兵」であり、この漫画が描かれた1971年、51年前当時の戦争漫画の単純さを思う。
 戦争を舞台にした単なる活劇、戦争の渦中に生きる青春と社会への懐疑、悲劇を描く反戦的装い、戦時中の恋愛を通して過去を思い穏やかな現在に繋げるもの。様々な切り口で戦争を舞台にするが、自分の年齢のせいもあろうが、気の抜けた飲み残しのビールを飲むような感覚になった。

 <早見和真 『新!店長がバカすぎて』(角川春樹事務所、2022年)>:バカを無理に作っている。書店内の描写が少ない、というか書店外の描写が多くて、ツマラナイ。前作の『店長がバカすぎて』を超えていない。

2022年9月22日木曜日

宗教の勧誘

 ○○新聞が郵便受けに入っていた。新宗教と分類されるある宗教の布教を目的としていて、記事は会長講演の内容、誰それが何それに任命されたとの人事、前政権批判、敵対する宗教団体批判、布教活動の成果、個人的信仰の深さ、等々。こちらの意図に無関係に、年に何回か目にするいつものパターンであり、さっと眺めて廃棄する新聞の中に混じり込ませた。
 翌日、鳴ったチャイムに応じてモニターを見たら中年と思しき女性が、昨日○○新聞を入れさせていただいた者ですがと話しはじめ、すぐにあらゆる宗教勧誘を拒否している旨伝えたら、一方的に何かしゃべり始めた。それには応じず強い言葉を発したら返す言葉を失ったようで黙って背を向けて帰っていった。

 布教する宗教を受け入れる気持ちは皆無である。宗教という限定された言葉は使わずに、自分で自分の周りの事物を見つめ、考え、自分自身のこととして何かを追い求めたいと思っている。だからなのか、高校時代に人生というものを考える方程式はないものかと漠然と思ったときがあった。

 数日後、今度は別の新宗教のチラシが入っていた。前期の教派と同じく昭和30年代初期に設立された宗教であり、かつてドライブを楽しんでいたときにこの宗教の壮大な建築物を、驚きをもって眺めたことがあった。

 直接的に宗教の勧誘をされたのは高校3年の時で「エホバの証人」であった。何も知らずに下宿先の自室で話を聞き、40代前後と感じた男性は絵入りの聖書をおいていった。何か違和感を覚えたのであろう、あるいは鈍感だったのか、さらりと受け流して終った。

 あらゆる宗教の勧誘や案内説明はすべて直ぐに拒否している。玄関先に来たら、相手が丁寧な言葉遣いをするときは丁寧に端的に断り、しゃべり続けようとする人には強い言葉で応じる。街中や駅前で声をかけられたことは一度もない。
 他人に布教しようとするその行為はどこから来るのか、何故なのか、今もって明解には理解できない。理解しようとも思わない。

2022年9月12日月曜日

家族集合、大学ラグビー

 久しぶりに息子一家と娘一家が自宅に集まりしばしの宴会。前半は駐車場で花火。これは息子の娘の要求にそったものであろう、夕方に電話があって急遽やることとなった。そこに娘の長男を除いて参加した。
 花火終了後宴会のようになった。息子持参の金沢の日本酒とビール、そこに私のビール・ウィスキー・日本酒3種を加え、飲む人は手酌で杯を重ねた。暫く経ってから娘の、塾帰りの長男が加わり全員がそろった。彼は大学受験勉強真っ盛りで、おそらく彼の人生で初めて勉強に集中している時期である。運動不足のせいかちょっと見ない間に結構太っていた。顔が丸くなり、体の肉付きがよくなっている。娘の中1の娘は吹奏楽部に入っていて、それとなく自分のクラリネットがほしいなぁと視線を向けられた。もちろん買ってあげると返答をした。いつねだられるのかが楽しみ。

 大学ラグビー対抗戦グループとリーグ戦グループが始まり、関西は18日からとなる。対抗戦を中心に見てリーグ戦をフルに見ることは尠い。対抗戦は順当な結果であるが、リーグ戦では以下を特記する。
 まずは東洋大が東海大に勝つという大波乱(27-24)。そもそも東洋大がリーグ戦一部に上がったことさえ認識がなかった。212cmのLO留学生が兎に角大きいし、ペナルティ時の東洋大のクイックスタートなどで、東海大が自分のリズムが出せなかった。東洋大が流経大にも勝ったらリーグ戦は益益面白くなる。
 法政が大東文化に勝ってまずは嬉しい(26-19)。大学選手権に進むのが期待の最低ライン。
 8期ぶりに一部に復帰した立正大学はやはり前途多難か(対日大33-44)。堀越さんの監督は24シーズン目となるが一部定着を希う。

 早稲田Bvs明治BでSH小西が後半途中から登場。単純に嬉しい。33-26で勝った。

 勢いで小説4冊を発注。これでまた未読の本が増える。

2022年9月11日日曜日

白石一文『道』、大学ラグビー開幕

 <白石一文 『道』(小学館、2022年)>:2012年から著者の小説を読み始め、本作が28冊目の小説。ニコラ・ド・スタールの実在する絵画「道」が時空転送装置となり、主人公唐沢功一郎は4度移動する。それぞれの別々の世界で、功一郎は高校受験失敗をやり直し、死んだ娘の美雨が生きている世界に生活し、妻の渚とその妹碧の別々の世界を行き来し、芸能界に活躍する若い霧戸ツムギも功一郎の手助けの下に前の世界から離れて今の世界を生きる。誰なのか判らない父をめぐって母の思慮に触れる。
 転送されれば前の世界に生きた者はその世界から忽然と姿を消し、それぞれの世界の記憶と意識は継続したままに今の世界を生きていく。 それぞれの世界に生きる人たちの-功一郎の人生に絡む人たちの-人生が描かれ、功一郎の彼らに向き合う考えや意識、彼らを救おうとする姿勢、見守る柔らかな暖かい視線、自身の葛藤が描かれる。
 絵画「道」からこの小説の構想を考え、物語を編んだのであろう。そしてそこに自身の人生を照らし投影する。現実にはあり得ない架空の世界を描く著者の小説は、それがどんな小説空間であろうとこちらを引き込んでしまう。
 ふと思う、「ノンフィクションは事実を語るが真実を語れない。フィクションは事実を語れないが真実を語れる」と、魯迅の言葉「真実は虚構を通してのみ語られる」と。
 
 大学ラグビーが開幕。筑波は明治に敗れたがプレース・キックの精度が良ければもっと展開が異なっていたであろう。PG2本を続けて外すのは痛い。
 早稲田は前半もたつき後半快調といった不完全燃焼のゲーム展開となった。ラインアウトはコミュニケーションミス、接点は差し込まれる。吉村がSOに入った後半はボールの展開ピードが早くなった。SH宮尾とSOとの連携も吉村の方がいいように見えた。伊藤はやはり怪我らしい、早く出てきてほしい。プレイヤー・オブ・ザ・マッチは1年のCTB野中で、彼は故障がない限りレギュラーとして出続けるだろう。
 前半/後半で結果を記すと、早稲田:7(1T1G)/31(5T3G) – 青学:3(1PG)/5(1T)。

2022年9月10日土曜日

雑記

 最近のニュースとして頭に浮かぶこと・・・国葬、旧統一教会、円安、ウクライナ、民主主義の危機、大谷翔平、3歳の幼稚園児の死、警察の嘘発表、等々。

 国葬:意味が分からない。そもそも国葬という法的基準がないところで政府の思惑で実施するということは暴挙以外の何ものでもない。外国からの弔意をキチンと受けるというけれど、外国の弔意というものは様々な計算の上に立って表明されるものであろうし、弔意があるから国葬をするというものではなく、国葬をやるからその儀式に対応して弔意を表明するという性質のものであろう。そもそも弔意とは個人的なものでしかないと思う。

 旧統一教会:大学生時代にとある駅前で何人かのグループが勧誘していた光景を思い出す。勧誘されたことはない。桜田淳子は姉の影響で加入したと芸能記者の友人が言っていた。ほかにも山崎某が脱会したとかの芸能記事が記憶にある。
 高校1年の時同じクラスにいて上智大学神学部に進学した知人が旧統一教会の現役会員であって、何年か前に同学年の同窓会メンバーに文鮮明の文庫本を送ってきた。同封されていた文章はキチンとした文章であったが教祖を讃える文言には強い違和感と距離感を覚えた。
 勤務先の同僚にも宗教絡みのことを口にされたことがある。妹が宗教に凝ってしまって家族で困惑している、幸福の科学の信者になっている学生時代の知人が電話で勧誘してきたと。
 中学生の頃、下駄屋の息子の同級生の母親が当時勢いよく会員を増やしていた某会に入れ込んでしまって近所で話題になっていた。またその某会の二人が私の自宅に来て入会を勧誘しに来て父親に揶揄されていた。

 円安:少ない額でもあるため放ってあった外貨預金を円に換えてほぼ全額引き出した。少なくともここ数ヶ月の間では利益がでた。

 ウクライナ:この先どうなるのかと毎日ニュースを見ている。そのニュースさえもどれだけ真実を伝えているのだろう。早く終わってほしい。

 民主主義の危機:second-worstとも言われる民主主義。民主主義礼賛は決してしないし、多数決による決定にも疑義があるし、もっと言えば現行の選挙システムに否定的である。

 大谷翔平:不世出の野球選手。ただただ凄いと思う。ピッチャーで4番という選手は高校生にはよくあるが、高校を卒業した後は何かがそれを潰してしまっているのだろう。

 3歳の幼稚園児の死:ニュースを見ていて涙が出る。あまりにも悲惨だし、あまりにも愚かな「川崎幼稚園」運営関係者。「複数の職員によるミスが重なった」と幼稚園側は言っているが、それだけで済ませはいけないし、そこに関係者の浅薄な弁解を感じる。会見の場で手に持った用紙に目を落として読んでいるという姿勢に憤りを感じる。弁護士が作成したと思える文章を読むことで、心からの謝罪ではなく、その場を凌いで批判に対応しようとする意識を見る。
 ミス発生の起因に思いはないのだろうか。せめて「ハインリッヒの法則」を理解してほしい。「・・・だろう」と勝手に判断しているのは感性の鈍さ、想像力の欠如、そしてそれらを膨張させてしまう運営システムにある。

 警察の嘘発表:組織の中に埋没すると人間は平気で嘘をつき、いつのまにか嘘つきになる。誰かが言っていた。嘘をつく場面はあるが「嘘つきにはなるな」と。

 さあ今日から大学ラグビーが開幕する。早稲田はまずは青山学院に大勝してほしい。出場メンバーに伊藤がいないのは怪我でもしたのか。また、小西が復帰してきたが嬉しい。まだB or Cへの出場であるが、最終的にはAのSHに宮尾と小西が名を連ねてほしい。青学戦に出場するルーキーのFL粟飯原、CTB野中、LO栗田に期待が膨らむ。