2024年4月29日月曜日

キーボード、変哲のない日々、小説2冊

 16日にCASIOの光ナビゲーションキーボード(LK-530)を購入。連れ合いが何かやりたいというので最初はAKAI EWIをどうかと思ったが気管支喘息の診察を定期的に受けているので、少し吹かしてみてすぐに無理と分かった。自分と同じで音楽の素養があるでもない、でも何かやりたいと言うことでこのキーボードを推薦してみた。右手でメロディーを弾きたいという気持ちになり、以降、彼女は毎日練習をしている。光ナビゲーションを参考にして音階と運指を大きな字で書いて提供し、毎日面白がっている。ポピュラーな曲も2つDL購入しインストールした。今取り組んでいる曲をまともに弾けるようになるには1年はかかるかもしれない。
 本人が面白がっているのでそれでよし。頼まれればアシストはするが、こちらから口出しは一切しないことにしている。

 自分はというと、毎日が何の変哲もない日々。変化があるとすれば、EWIを練習してカラオケ演奏して録音する曲が少しずつ増えていること。以前より量はかなり減ったが本は読み続けていること。料理を面白がっていること-レシピがないと作れないことは相変わらずだが。
 鉱山を中心としたもう一つのブログ、終わらせようとする気持ちはあれどまたまたサボリ状態に入っている。下書きを少し書いては放ってしまう、この繰り返し。

 <ジュンパ=ラヒリ 『思い出すこと』(新潮クレストブックス、2023年)>:新鮮でいて不思議な世界をも感じ、そして作者の才能の深さに感じ入った。作家として序文を記し、詩人としての物語に入り込み、同時に研究者(批評家)として俯瞰する。自分自身の過去を(間接的には現在を)語る方法にこのような手段-詩という形はとらわれなくとも-があることに気づかせてくれた。自分自身への距離の取り方、視点の高さ、視座をどのように置くのか、物語そのものよりも物語をどう構成するのかということに発見があった。

 <赤松利市 『隅田川心中』(双葉文庫、2024年/初刊2021年)>:帯と裏表紙からの引用;「シニア世代の暴走恋愛小説」、「生々しく描いた傑作性愛小説」。
 愚かな64歳の男と、怠惰な父親に生活費を弄ばれる貧相な肉体の女と、反社会の中で己を誇示する非合法的存在の男と、・・・要は現実的には自分とは異質な世界の中で生きている人たちの物語。不快感の残る物語の世界。放っておかれた魚の腐りかけた臭い、汚れたゴミが風に吹かれている通りを歩く清潔感に欠ける男と女、そのような印象が強いのは著者の作品から受ける共通した感覚。もう読まないことにする。

2024年4月17日水曜日

病院へ、検査予約

 15日、2017年12月以来の春日部市立医療センター循環器内科に行った。4週間毎に通院している医院の医師の紹介状を持参して、ほぼ6年半ぶりとなる、前回と同じ女医さんの心雑音の診察を受ける。前回に比して高音が聞こえもするし、少しは進んでいるようだとの診断の下、軽度ではあるけれどエコー検査をしようとのこと、ついでにCT検査もやりますかと問われそれも受けることとした。今月30日にエコーとCTの検査を行い、その結果は翌月の20日となり、両者を予約しておいた。
 心配性の自分のことだから、以前だと少しは不安な心境に陥るのであるが、年齢を重ねたことによる諦めなのか、はたまた考えても自分で結論を出せないものは考えないこととすると言う知恵が備わったのか、淡淡としている。自覚症状もないし、まぁ自身の身体のメカニックの予防保全だと思っている。何か補修が必要になったら、パーツ交換ということは出来ないからそれなりの対処をするしかないであろう。
 病院は混んでいる。循環器内科はさほど混んでおらず20-30分待って診察に入ったが、受付から担当医が決まるまで45分くらいで、会計に30分ほど待たされる。来院している人の数も多いが、スタッフの女性たちの多忙さは異常とも感じた。的確には言えないけれど何か非効率的で、患者の数とスタッフの数がアンマッチであるように見えた。結局は患者を待たせることになるのだが、これが通常のことならば対処すべきであろう。

 猪苗代のBaNaのログハウスからLINEが来た。会津で花見をやっている6人が集まっての酒宴。飲んでいる銘酒を数本見せられ、もしかしたらこっちに届くかもしれないからそっちのスマホの上から注いでみてというが応じてくれなかった。

2024年4月11日木曜日

75th誕生日、アウトレットモール、小説3冊

 誕生日となった。75歳にもなってしまった。今年は友人二人が癌で亡くなった。四捨五入すると80歳と言ったら、SuJuがそうじゃない、四捨五入すると棺桶というのが正しいと寂しきことを口にした。否が応でも残り少なくなってきている(であろう)人生を思う。

 5年ぶり、否、もっと久しぶりになるか、越谷レイクタウンのアウトレットモールに行った。近くではジーンズもまともに購入できないし、ついでに家の近くを歩くのはつまらないのでモール内をぶらぶらと歩こうかと車を走らせた。EDWINでブーツカットのジーンズとジャージジーンズを購入。連れ合いは探しに探してカジュアルのベストを買った。次はレイクタウン“風”か“森”の中を疲れない程度に散歩代わりにあるくのも良いかも。

 <逢坂冬馬 『歌われなかった海賊へ』(早川書房、2023年)>:1944年、ナチ体制下のドイツにおいて、ナチスに反感・抵抗する、グループとしては緩い規制のエーデルヴァイス海賊団。14~18歳の若者たちの体制抵抗活動の実存を初めて知った。親との確執、親をナチスに殺された少年の憤り、同性愛等々を後背としてナチへの抵抗をするエーデルヴァイス海賊団。それを語るのはかつて共に活動しバカと自称したフランツ。生きるために体制に迎合し、抵抗する者たちの歌を歌わず、戦後になって事実を暴くフランツに悪意を向ける庶民。
 エーデルヴァイス海賊団の心情は以下。すなわち、「私たちはそんなんじゃないのに、どうしてみんな、自分の都合で分かろうとするんだろうね」、「筋を違えたまま与えられる理解のまなざしほど、ぬるぬるして気持ち悪いものはない。私はあなたを分かっているよ、と頭上から注がれる声は、優しさに満ちているけれど、だからこそ反吐がでる」、「単色のペンキで塗りつぶそうとする」。・・・当時のナチ収容所では下向きの三角形を与えて区分した。黒=犯罪者、赤=共産主義者、紫=宗教的異端者、ピンク=同性愛者、上向きの黄色の三角形を重ねるのはユダヤ人。

 <永井義雄 『秘剣の名医16〉蘭方検死医 沢村伊織』(コスミック・時代文庫、2024年)>:売春をする女が連続して殺され胆が切り取られる。検死を依頼された伊織が謎ときに動き下手人を捕まえる。いつものように楽しめる長井さんの江戸時代小説。

 <藤澤清造 『根津権現裏』(新潮文庫、2011年)>:没後弟子を自称する西村賢太のおかげで広く知られるようになった1922年初刊の小説。金はなく、女には去られ、足に骨髄炎の病、同郷の友人の急死。我が身の不幸に悲嘆し嘆息が重なる。途中から読むのに堪えられなくなった。小説の面白さは芥川賞受賞という金字塔を立てた西村の方がはるかに優っている。

2024年4月4日木曜日

免許証更新、市役所

 車の運転免許証更新にすぐ近くの警察署に行った。視力検査も写真撮影も極めて短時間に終わり、孔の空けられた旧免許証、新免許証を受け取り、両者の自分の写真を見比べ、やはり年齢を重ねた顔写真ではあると感じ入ってしまう。まだまともに運転できるので、数日経てば75歳になるがこの免許証は手放せない。
 前日には車の半年点検にディーラーに行った。2年半の間でこの車を運転した総走行距離は4,200km強で極めて少ない。娘の長男がもうすぐに免許を取りそうで、この車を貸すことも多くなるだろうから、そうなれば走行距離も延びるであろう。

 数日前に連れ合いの国民健康保険証取得のために市役所で手続きおよび新規発行をしてもらった。新しくなった市役所を訪れるのはこれで2度目。前回は役所内の暗さを感じたがそれは調光メガネのせいなのかもしれないと今回は調光でないノーマルなメガネをかけていった。が、やはり同様に暗さを感じた。職員の人たちは採光のある窓際の、そして照明も明るい場所にデスクを構えているが、サービスを受ける側の訪問者側は壁際に沿っていて照明も暗い。通路は広くなっていいのだがそれが無駄に広いという思いもするし、何故だろう、テキパキとした明るい職場という印象は全く受けなかった。