2024年4月11日木曜日

75th誕生日、アウトレットモール、小説3冊

 誕生日となった。75歳にもなってしまった。今年は友人二人が癌で亡くなった。四捨五入すると80歳と言ったら、SuJuがそうじゃない、四捨五入すると棺桶というのが正しいと寂しきことを口にした。否が応でも残り少なくなってきている(であろう)人生を思う。

 5年ぶり、否、もっと久しぶりになるか、越谷レイクタウンのアウトレットモールに行った。近くではジーンズもまともに購入できないし、ついでに家の近くを歩くのはつまらないのでモール内をぶらぶらと歩こうかと車を走らせた。EDWINでブーツカットのジーンズとジャージジーンズを購入。連れ合いは探しに探してカジュアルのベストを買った。次はレイクタウン“風”か“森”の中を疲れない程度に散歩代わりにあるくのも良いかも。

 <逢坂冬馬 『歌われなかった海賊へ』(早川書房、2023年)>:1944年、ナチ体制下のドイツにおいて、ナチスに反感・抵抗する、グループとしては緩い規制のエーデルヴァイス海賊団。14~18歳の若者たちの体制抵抗活動の実存を初めて知った。親との確執、親をナチスに殺された少年の憤り、同性愛等々を後背としてナチへの抵抗をするエーデルヴァイス海賊団。それを語るのはかつて共に活動しバカと自称したフランツ。生きるために体制に迎合し、抵抗する者たちの歌を歌わず、戦後になって事実を暴くフランツに悪意を向ける庶民。
 エーデルヴァイス海賊団の心情は以下。すなわち、「私たちはそんなんじゃないのに、どうしてみんな、自分の都合で分かろうとするんだろうね」、「筋を違えたまま与えられる理解のまなざしほど、ぬるぬるして気持ち悪いものはない。私はあなたを分かっているよ、と頭上から注がれる声は、優しさに満ちているけれど、だからこそ反吐がでる」、「単色のペンキで塗りつぶそうとする」。・・・当時のナチ収容所では下向きの三角形を与えて区分した。黒=犯罪者、赤=共産主義者、紫=宗教的異端者、ピンク=同性愛者、上向きの黄色の三角形を重ねるのはユダヤ人。

 <永井義雄 『秘剣の名医16〉蘭方検死医 沢村伊織』(コスミック・時代文庫、2024年)>:売春をする女が連続して殺され胆が切り取られる。検死を依頼された伊織が謎ときに動き下手人を捕まえる。いつものように楽しめる長井さんの江戸時代小説。

 <藤澤清造 『根津権現裏』(新潮文庫、2011年)>:没後弟子を自称する西村賢太のおかげで広く知られるようになった1922年初刊の小説。金はなく、女には去られ、足に骨髄炎の病、同郷の友人の急死。我が身の不幸に悲嘆し嘆息が重なる。途中から読むのに堪えられなくなった。小説の面白さは芥川賞受賞という金字塔を立てた西村の方がはるかに優っている。

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