2022年9月24日土曜日

戦争漫画とバカな店長

 <矢口高雄・バロン吉元ほか 『幻の戦争漫画』(詳伝社新書、2022年)>:バロン吉元・木村直巳・矢口高雄/小池一夫・北川玲子・川島れいこが1971~2005年に描いた5編。木村直巳の「銃後15の春」がもっとも好みである。作者紹介を見て、彼は『監察医 朝顔』と『新おみやさん』の作者であり、彼の描く世界になるほどと思う。最も長いものが矢口高雄/小池一夫の「燃えよ番外兵」であり、この漫画が描かれた1971年、51年前当時の戦争漫画の単純さを思う。
 戦争を舞台にした単なる活劇、戦争の渦中に生きる青春と社会への懐疑、悲劇を描く反戦的装い、戦時中の恋愛を通して過去を思い穏やかな現在に繋げるもの。様々な切り口で戦争を舞台にするが、自分の年齢のせいもあろうが、気の抜けた飲み残しのビールを飲むような感覚になった。

 <早見和真 『新!店長がバカすぎて』(角川春樹事務所、2022年)>:バカを無理に作っている。書店内の描写が少ない、というか書店外の描写が多くて、ツマラナイ。前作の『店長がバカすぎて』を超えていない。

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