2021年6月5日土曜日

老後とひとり死の本

 新型コロナのワクチン接種は、今のところは今月中旬に案内が郵送され、下旬に近くの接種会場に足を運ぶこととなる。世の中の状況が早く落ち着いて欲しいものではある。5歳刻みに年齢区分され、高齢者から低齢者へと接種が移行していく。

 <和田秀樹 『六十代と七十代・心と体の整え方』(バジリコ、2020年)>: 72歳の自分が思っていることや感じていることを著者の言葉で再確認させてもらったということで、何か新しいことや自分に抜け落ちていたことなどを気づかされたということはない。
 感情が劣化していることは自覚しているし、独りになることを意識していることは以前より変わらないし、文章を書くことも好きな方だし、世の中の気にくわないことに対しては諦念に似た気持ちを抱くことが多くなっている。しかし、本書で奨めている3度の正しい食事は出来ないし-16歳から2食の生活になっている-、適度な運動を再開するつもりはないし、規則正しい睡眠と起床は端からできない。まあ、常に自分と向き合いながら生きていくことであろう。
 購入することを躊躇い、書店で衝動的に買ってしまった本であり、今は読まなくともよかったと思っている。

 <上野千鶴子 『在宅ひとり死のススメ』(文春新書、2021年)>:朝日新聞の「なやみの坩堝」では上野さんの回答をいつも強い関心をもって読ませてもらっている。相談者は深刻な気持ちで相談しているのだろうから、失礼な言い方ではあるが“楽しく”読んでいる。
 著者と違ってこっちには子どもはいるし、まして二人とも近くに住んでいるし、彼女らの子どもたちともそこそこの頻度で顔を合わしている。でも、今後とも子ども達と同居するつもりは毛頭ないし、もしも連れ合いが先に逝っても独居生活以外の選択はあり得ない。今は連れ合いと二人の生活であり、そこそこに空間的にも時間的にも距離をあけることが出来ているし、自分の世界に自ら入ることはずっとそうである。互いに不満がないことはないが、適度に呑み込んでいるし、引きずらないように(努力)している。
 この先どうなるか分からないが、これからの「ヨタヘロ期」を愉しみながら過ごして行くことが大事なのであろう。結論は、今後の自分が「どうなるかではなく」「どうしたいのか、を考え」ること。

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