2023年2月21日火曜日

本3冊

 読書量が極端に減った。制限ある時間の中でやることを増やしているので当然なのだが、かといってやることや関心事を減らすつもりもない。ずーっとこの状態が続くのであろう。そしてウォーキングの途中でまた本を何冊か買ってきてしまった。

 <大塚ひかり 『ジェンダーレスの日本史 古典で知る驚きの性』(中公新書ラクレ、2022年)>:おおらかな日本の性は明治になって(欧米に目を向けてから)大きく変化した。以来欧米の価値観を受け入れ、前の敗戦から米国に従属(隷属)するようになった。
 本書ではいろいろな歴史的事実から日本の性の大らかさ-ひねくれて言えば節度のなさとか刹那的快楽への耽溺-を知る。それはそれで面白いのであるが、なぜそうなったのかを知りたくなる。四季豊かな自然、狭い生活空間、地から採れる植物主体の食事等々、なぜおおらかな性となったのかと思いを巡らす。

 <佐藤究 『爆発物処理班の遭遇したスピン』(講談社、2022年)>:SF、破戒、暴力、怪物、物理、ミステリー。8編の短編集。異次元の世界、作者の創造性に驚嘆する。

 <永井義男 『隠密裏同心 篠田虎之助 最強の虎』(コスミック・時代文庫、2022年)>:関宿藩での物語から始まって、その後は深川が主な舞台となる。剣と恋の新シリーズ第一弾とあるが、剣ではなく主人公は杖術が主体。まだ恋の部分は出てこない。16歳の藤川(遊女)か、亡き友人の許嫁で武家から商家の娘となったやはり16歳のお文か、はたまた今後登場する女性なのか。好きな作家の永井さんの時代小説の楽しみが一つ増えた。

0 件のコメント: