2023年3月15日水曜日

花、開く

 3月も中半、手入れを怠っている、我が家の庭の花開く。
 最後に載せている梅は柵の外。







 <西山太吉・佐高信 『西山太吉 最後の告白』(集英社新書、2022年)>:沖縄返還密約事件(沖縄密約事件/西山事件/外務省機密漏洩事件)の西山太吉さんが先月24日に91歳で亡くなった。男女のスキャンダルあるいは機密情報入手手段の是非に視線を移し、密約という本質を見つめることがなかったことに日本の政治体質と報道体質を感じていたし、併せて、市川房枝などの著名な女性政治家が「情を通じ」という面に視座をおいたことに彼女等の想像力の乏しさ、思考の甘さを思っていた。以前からのこの思いを補強するように読んだ。
 以下、面白いと思った幾つかの引用;
 「小泉は日米閏係と口中関係という二次方程式を解けなかった。小泉が抜擢した安倍は一次方程式も解けず、安倍後継の福田康夫は最初から解く気はなく、麻生太郎に至っては、方程式の意味も分からなかった」というのは佐高さんの説。
 「現場で権力握っているということは、それだけ頭使うし、同時に自意識が非常に強くなるから、血液の循環も良くなる」。だから「権力を握っていると長生きする」。
 「上に行けば行くほどに、司法も国家権力と一体になる」。
 「あの兄弟の特徴は教条主義、法律至上王義というか、すべてをあらかじめ細かい約束事で縛ろうとする。カのある側はその方が都合がいい。しかし、弱者はそれによって骨の髄まで抜かれる。しかも、国益を害する不公平な約束は、国民の前に見せず、密約扱いにしてしまう。教条的支配というものが、そうさせているわけです」。あの兄弟とは岸と佐藤。
 「専制的、独裁的政治からは必ず秘密が生まれる」、「ドグマ的であり独断専行な人は、相手を全く無視するし、相手に寛容に接する余裕もないから、どうしても隠し事をしてしまう」。これは十分に実感できる。隠し事をすることは嘘をつくことにも通じる。
 「国家機密が日本のメディアによって暴かれたことがありますか? 1回もないよ。西山太吉だけですよ。国家機密の暴露は」。哀しいかなこれが現実。

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