<長谷川卓 『もののふ戦記 小者・半助の戦い』(ハルキ文庫、2017年)>:武田晴信(信玄)方の武将横田高松の下の下の下に雨宮家があり、当主は佐兵衛。そこの小者である半助が主人公。舞台は世に名高き「砥石崩れ」であり、横田軍は武田軍の殿となって敗走する。半助は佐兵衛を何としても味方のところまで連れ帰ろうとする。村上軍に追われ、野伏せりに襲われ、百姓に殺されそうになり、等々の修羅場をかいくぐり半助は、村上義清の義侠心もあってどうにか高窪城にたどり着く。
読んでいて頁を閉じることができなくなり、結局は午前3時半まで読み続け了となった。
長谷川卓さんの小説は次のように大別できる、即ち、捕り物・同心もの、剣豪もの、山の者たちを描くもの、である。これらに当て嵌まらないものは『死ニ方用意 小説 臼淵大尉』と今回読んだ小説である。その意味ではまさしく本の帯にある「著者の新境地!」であり、楽しめた。
2006年5月に始って、著者の小説は『運を引き寄せた男 小説・徳川吉宗』(かんき出版, 1994年)-文庫本になっていない-を除いて全て読み、楽しませてもらった。前に書いたように亡くなってしまった。残念である。
.
0 件のコメント:
コメントを投稿