2022年2月6日日曜日

日本酒品評会(?)、長髪化をやめる、西村賢太の死去

 日本酒品評会(?)を実施。お昼時、テーブルの上に4本の日本酒を並べて品評会めいたことを実施。向き合ったのは福島県の酒で次の4本。①ロ万(純米吟醸1回火入れ)、②宮泉(純米)、③会津娘雪がすみ(純米吟醸うすにごり)、④廣戸川(純米吟醸)。
 いつもは大ぶりのぐい飲みで飲むが、この日は久しぶりに品良く一般的な大きさのガラス製盃でもって①~④の順番で味わう。根はいやしいものだから都度口を水ですすぐなどのことはなく、飲むひとときを楽しむものだから、まして利き酒の技量も浅く、表現力もないものだから、以下のコメントは多分正鵠を誤っているかもしれない。まして酔いながらのメモは難しい。
 ① 美味。香りが口の中で広がる。少し甘く感じる。端麗やや甘口。香りよく初恋の淡さといったところか。
 ② 美味。香りはあるが①ロ万よりは広がりを抑え、落ち着いた趣がある。やや辛口で酸度も好みである。
 ③ 微かに舌に抗う舌触りがあり、感じがいい。馴染みあるほんわかさがあり、会津高校付近の雪景色が浮かんできた。いつもながら美味い。
 ④ 平たい、尖がっていない、個性が薄く何にでも従いますというような従順さを感じる。
 続けて飲んでいるために次第に酔いがまわってきて、品評が怪しくなる。続けて番外として一合ほど残っていた新潟/佐渡の壱蔵(純米大吟醸)を空ける。新潟の酒は美味いのであるがどうも魅入られるところがない。この酒も辛口で香りもそこそこだが再度買い求めるという気持ちはない。
 更に仕上げとして飛露喜(特別純米)を飲む。やはり美味い。毎年何度かこの酒を飲めることはこの上なく幸せである。結局のところ、本日も飲み過ぎである。

 散髪に行っても極力切らずに調えるだけにしてもらい、5ヶ月ほど伸ばし続け、何度目かの長髪化を図ったが、伸びるにつれて鏡に映る自分の姿が次第に不潔っぽくなってきて、もしかしたらだらしない恰好でいるとホームレスの様相を帯びてくるのかとの懸念もあり、結局はバッサリと切ってもらった。ヘヤーカット店の床に落ちている自分の髪を眺めたら黒髪の瑞々しさなど全くなく、白髪交りで、風に吹かれて吹きだまりに転がった細い枯れ草のように見えた。

 西村賢太が死んじゃった、54歳。タクシーの中で具合が悪くなったらしい。最近は以前ほどには小説やエッセイのプロモーションを新聞で見ることも少なくなり、私小説の限界もあるのかと想ってもいたがまさか突然に亡くなってしまうとは驚いてしまった。石原慎太郎への追悼文が最後に書いたものとなるのか。
 以前、立て続けに彼の小説を読んだこともあって一抹の寂しさを思う。

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