2019年12月12日木曜日

年末の掃除開始、小説、素数

 日曜(8日)より大掃除を開始。以前よりは手抜きをし、何日かに分けてやることとなる。タイミング良く家を建築した業者の15年点検が9日に入り、知らなかった掃除・メインテナンスのポイントを教えて貰う。立て替え住み始めてから12月で丁度15年たち、翌1月に生まれた娘の長男もいまは高校受験の真っ直中、時の進みの早さを実感する。

 <塩田武士 『騙し絵の牙』(角川文庫、2019年、初出2017年)>:大泉洋のイメージを取上げての「あて書き」の小説とのことである。頁に挟まれる大泉洋の写真がどうしても目に入り、主人公のイメージが彼と重なる。例えばTVドラマ「ノーサイド・ゲーム」の主人公のように。
 何の予備知識もなしに読み始め、作者が塩田武士だから『罪の声』のようなミステリーかと思ったが、出版業界を舞台にした多重的な生き方をするしたたかなサラリーマンの、従順であるようで最後には業界や出版社に牙をむく-というより後ろ足で砂をかけるというほうが相応しいか-したたかな生き様。小説家の技を見せる見事な小説という、評価の高い小説であるらしいが、自分の好みの枠からは外れる。

 <竹内薫 『素数はなぜ人を惹きつけるのか』(朝日新書、2015年)>:『騙し絵の牙』を読んでつまらなかったとの思いもあり、生ものの人間社会の物語から離れて、無機的な物語に気が向いてしまい、手許に積んである数学関係の一般啓蒙書を開きたくなった。暫くはこれらの数学の物語を読むことに浸ってみようと思う。手始めはありきたりの「素数」からスタート。比較的容易な「素数」の入門書を開く。
 ゴールドバッハ予想、素数ゼミやら、ζ関数やら、双子素数、また、オイラー・ガウス・リーマンなどと名前だけは知っている数学用語・数学者がでてきて、何年も前の、数学の教科書を手にしていたころに微かに戻っているような気がする。

 大学時代からサラリーマン時代になっても使用していて、ボロボロになった背表紙をガムテープで補強しても愛用していた「材料力学」の参考書(奥村淳史著)はいつ棄ててしまったのであろう。設計実務から離れたときか、あるいはリタイアしたときであろうか。書き込みもあり、設計時の計算書も挟んでいたので、今になって懐かしく、取っておけば良かったと悔まれる。手に入るならばこの教科書を開きたくなる。

0 件のコメント: