2020年10月26日月曜日

飲酒、読書3冊

 海老で鯛を釣るが如くに美酒飛露喜が送られて来て、23日は夕方から痛飲。深夜になったらスコッチウィスキーを飲みながら本を読んでいたらついつい飲み過ぎてしまい、翌朝は喉の渇き激しく、少しだけだが宿酔気味。胃に優しい食事をしてこの日は断酒して温和しく過ごした。 
 本日25日にまた飛露喜を飲む。一升瓶を3回に分けて空けるペース。昔のような飲み方は出来なくなっている。 

 ここ一週間の間に本を10冊買ってしまった。雑誌も買っているからまたまた未読の本が増えてしまった。 

 <片山杜秀 『皇国史観』(文春新書、2020年)>:知ったつもりでいる皇国史観を俯瞰的に振り返るつもりでこの新書を開いた。前期水戸学からはじまって現代に至るまで平易に書かれており改めて得心するところは多い。前期水戸学からはじまって現代までの歴史観の流れは分かるが、なぜその歴史観に浸るのか、その心の動きはやはり理解できない。 

 <山田英生(編) 『現代マンガ選集 悪の愉しみ』(ちくま文庫、2020年)>:魅せられた作品はなし。「アカシヤの大連」(湊谷夢吉)のタイトルが諧謔的で面白く、絵もまた好きである。 
 前衛的な装いのある作品は(昔ならいざ知らず今は)まったく惹かれない。
  
 <奥泉光 『死神の棋譜』(新潮社、2020年)>:著者の小説は初めてで、あくまでミステリーの一冊として手に取り、頁を進めるにつれ虚実入り交じる展開に少々戸惑いを覚えながらいたが、最後にあたってはこの本はミステリーの装いはしているものの、例えば江戸川乱歩賞的なミステリーではなく、全く期待外れの作品だった。主人公はどうした、謎を見つけたのか、女流棋士の不可思議な行動は何なのか、彼女の実家の福祉施設はどう絡んでいるのか、異次元的な将棋教は何なのか、不詰めの棋譜は何の意味を持つのか、焼死した山木八段は何だったのか、等々狂気の物語はすっきりしないままに終わってしまった。端的に言ってしまえば奥泉光という作家のことを何も知らず、芥川賞受賞作家であることも記憶になく、新聞の宣伝の言葉に思い込みをして、不用意に読んでしまい、勝手に落胆しているに過ぎない。買ったまま何年も放ってある『東京自叙伝』も心して読まねばなるまい。

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