2020年10月5日月曜日

名が入った戒名、本一冊

 テレビで録画した安直なミステリー・ドラマを見ていて、女性が夫の位牌の前に座っていた。画面の奥に見えるその位牌の戒名は「恵○○道居士位」となっているではないか、○○にはオレの名前がすっぽりと入っている。なるほどオレの名はそのまま上下に適当な漢字を入れるとそれらしく見える戒名になると妙に感心した。 

 <堀田江理 『1941 決意なき開戦-現代日本の起源』(人文書院、2016年)>:「アジア・太平洋の政治、経済、外交、社会、文化などについて優れた著書を発表した研究者や実践者に贈られ」る「アジア・太平洋賞」の第28回特別賞受賞作ということで、帯には「なぜ挑んだのか、「勝ち目のなき戦争」に?」とある。 
 本書の目的は「日本の真珠湾攻撃に至るまでの8ヶ月間を、わかりやすく述べること」であるとされ、膨大な文献を参考に丁寧に述べられている。8ヶ月間の事だけを述べるのではなく、人物の人となりや外交交渉などのやりとりが詳しく書かれており、故に「歴史ドキュメント」(帯の文)とされるのであろう。しかし、全体的にあっちに行ったりこっちに来たりと総花的であり、冗長でもあり、読み進めるのに忍耐と努力を要する。近現代史上の人物のエピソードや性格などは別途注記にでも補足すれば贅肉も取れて内容が絞れるのにと思うことしばしば。

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