2020年10月17日土曜日

雑記、青春ものミステリー

 インフルエンザ予防接種、高齢者なので費用は無料。 
 
 ニュースを見ると不愉快さを感じることが多いので、繰り返しは見ないようにしている。何も国内ばかりではなく海外も含めてのこと、i.e.,この世の人間社会のこと。過去に起きたことも、いま起きていることも全てを取り入れて自分の立つ位置を考えること、これが難しい。

  冷雨、暖房機を出してしまった。

  <宇佐美まこと 『夜の声を聴く』(朝日文庫、2020年)>:隆太の目の前でリストカットする百合子、隆太は優秀な頭脳をもつが引き籠もりの日々をおくっていた。百合子が通学する定時制高校に通うようになり、そこで大吾と知り合い、彼が住み込むリサイクルショップ兼便利屋の”月世界”に頻繁に足を向けることになる。”月世界”が依頼された物件を解決するなかで比奈子と知り合い、また物理学者の廣紀とも知り合い、目の前の事件を解決していく。最終的には大吾と大吾の雇い主であるタカエが関係する11年前の殺人事件を解決し、隆太は新しい道に踏み出す。  
 日常生活の中でミステリーがあって、そこに関与しながら隆太たちの青春生活が描かれる。章立てが一切なく、それが新鮮に感じられた。8歳年下の63歳で、その年齢の男性にしては随分と瑞々しい柔らかい物語を作っていると、著者の若々しさを感じていたが、読後にwikipediaで確認したら女性作家だったことを知り、あっそうかと少し得心した次第。
 新聞の読書コーナーで知った作品で、10代の人たちが語り行動する物語には青葉に当たる陽のまぶしさのような輝きを感じ、自分の10代の頃を少し振り返ったりした。

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