2020年12月13日日曜日

「このミス」のことなど、本2冊

 辻真先の『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』が『このミステリーがすごい! 2021年版』、「『週刊文春』ミステリーベスト10」、『ミステリが読みたい!』のいずれでもランキング1位となった。1932(昭和7)年生まれの御年88歳。素晴らしい。早速買い求めてきた。 
 また、「『半身棺桶』どころか、足から両脇の下あたりまで桶の中です。しかも、明らかに、毎日数センチずつ引きずり込まれている」(『このミステリーがすごい! 2021年版』)と書いている1929年生まれの皆川博子も現役であり、彼女は「もうデスノートに名前書かれているんだろうな。あと三年待ってくれないかな、死神さん」(同)とも記しているのは失礼ながらなんとも可愛い。ご両人のように、やるべきことに向かって年齢を重ねていきたいものではある。

 10日、1Fの掃除をやり、これでやっと今年の大掃除は終了。昔は朝8時頃から夜10時頃まで一気に実施したのだが、今は少しばかり手を抜いて1ヶ月余に渡り分断して行った。気力と体力と耐力の減退を強く感じてしまう。 

 <古川隆久 『建国神話の社会史』(中公選書、2020年)>:「建国神話」とは何か、それが近代日本でどのような意味を持ったのか、どういう経緯で重要視されたのか、そしてそれが近代社会に及ぼした影響を平易に論じている。神話と天皇、関連の本を幾つか読んでいるが、このような荒唐無稽な「神話」をなぜ信じるのかいまだに理解できない。しかし、その時代に生きていれば自分も何の疑いも持たずに軍国少年になり、敗戦に涙したのであろうか。 

 <早瀬利之 『靖国の杜の反省会 あの戦争の真実を知る11人の証言』(芙蓉書房出版、2013年)>:松井石根・杉山元・板垣征四郎・石原莞爾・野村吉三郎・米内光政・島田繁太郎・井上成美・東郷茂徳・迫水久常が靖国に蘇り、緒方竹虎の司会進行であの戦争の真実を語る。小説風に展開するつまらない一冊。彼らが語る、だから何なんだ、という視点がない。

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