アンプおよびスピーカー・セレクターの音質が妙に気になってしまい、セレクターのスピーカー出力端子のバナナ・プラグを止め、ケーブルをダイレクトに結線した。音が奇麗に変化して濁りがなくなった。単にバナナ・プラグの接触が悪かったのかも知れないが、余計なものを介在させない効果が出たのかもといい方に解釈しておこう。
で、今は午前1時に近い深夜、酒精をなめながら静かにGrieg叙情小曲集を流している(演奏はLeif Ove Andsnes)。
<ジョン・バンヴィル 『海に帰る日』(新潮クレスト・ブックス、2007年)>:行きたいと思っていても行くことがもはや叶わない国、アイルランド、その地の作家。2005年度ブッカー賞受賞作(『わたしを離さないで』を抑えて受賞)。原題は『The Sea』。
妻を亡くし、かつてひと夏を過ごした海辺の町にやってきて、過去の時間を振り返り、自らに問いかけ、人生を思う。
静謐な物語であり、正直退屈するが、頁を閉じることに抗う気持ちもあり、読み続けた。細やかで幻想的でもある。長い年月の中で大した重みもない事件が繰り返され、振り返れば人生なんてこんなものさ、と言ってしまうようなものが人生なのかもしれない。
この物語の中で「海」は何を象徴し、どのような意味を持たせているのか、そんなことを考えた。「海」は女性になぞらえることがあること、それが一つの答えであるような気がする。
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