悲しみと喜び、いつも裏表。
左踵の痛みがまた出てきた。
<武田一義 『ペリリュー -外伝ー 1』(白泉社、2022年)><武田一義 『ペリリュー -外伝ー 2』(白泉社、2023年)>:本編の『ペリリュー -楽園のゲルニカー』は最終巻まで読まずに6巻で止めてしまった。何故かというと戦場の情景描写が続く中で個人の悲惨な戦争、軍としての狂気、リーダーたちの日本精神優越感や精神論ばかり続いて嫌になったからである。前にも記したが「玉砕」と書き、「全滅」と書く視点がないからである。
敗戦78年後の今も個々人の生活に爪痕を遺す戦争の悲惨さはドラマやドキュメンタリーで流されるけれど、表層的な事実は描かれても、なぜあの戦争は起こされ、何故狂気に走ったか、政治や外交はどうあるべきか、思考するシーンが少ない。また、加害者としての視点は薄い。本書は外伝とあるので違った視点での描写があるかと期待したがそうではなかった。70年以上も生きていると繰り返し描写される戦争シーンや個人的生活や感情にはほとんど気持ちが動かなくなってきている。慣れというのではなく、報道も同じ事を繰り返しており、そこに人間社会の限界というか、性といったものを感じてしまう。結局は、私的にあの戦争にどう向き合うのか、理解するのかと向き合い、ただただ死者を弔い、平和を願うしかないのであろう。これってひたすら祷ることしか出来ない、せざるを得ないあの御方と同じではないかと思ってしまう。
このマンガは本編と同じで続刊はもう読まない。
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