2016年10月24日月曜日

上柚木までラグビー観戦

 朝8時10分頃に自宅を出て駅まで歩き、大宮・新宿・調布で乗り換えて京王線南大沢へ向かう。予定よりも早い時間の電車に乗り換えることができ、南大沢駅に着いたのは10時18分。いままで新宿から京王線に乗った記憶がなく、もしかしたら初めての乗車かもしれない。調布を出て稲城を通過するとき、20年以上前に姉の家族が住んでいたころに車で来たことを思い出す。
 読んでいた本から目を窓に向けると多摩センターあたりになっており、丘陵の地に多くの高層住宅ビルが林立している。東武野田線の車内から見える景色とはまっく趣が異なる。
 南大沢は何となく郊外の静かな小さな街にある駅と思っていたが、想像していたことに反して大きなショッピングモールがあり、たくさんの人の行き交いがあり、勘違いを恥じる。上柚木公園陸上競技場方向に足を向けるとすぐに首都大学東京のキャンパスがあった。この大学はかつての都立大学なのかあるいは昔の武蔵工業大学なのか迷ってしまう。東京都市大学と首都大学東京、紛らわしい。

 幹線道路沿いを散歩風情の心持ちで歩き、競技場に着いた。今季の対抗戦で早稲田ラグビーは地方周りが多い。海老名・高崎は訪れることを諦めていたが、今回は天候もいいし、テレビ放送もないので現地観戦とした。秩父宮での筑波戦以来の現地での生観戦となる。

 競技場入場は予想外の無料だった。キックオフまでの45分ほどは本を読んだり、周囲の景色を眺めたりしていた。前席にいる5人家族-中学生らしき子と幼児二人と若い両親-がタッパーに入れた焼きうどんを食べ始めたときは、とても美味しく思え食べたくなった。この日はまだ何も食べておらず、ビールも手にしておらず、横からは柿の種とピーナッツの匂いがしてきて、食欲がでてきた。焼きうどんはホントに美味しそうだった。この家族、父親が青学出身のようで、ハーフタイムの時は年長の女の子がもう帰ろうよと言っていたら、父親がこれから反撃して面白くなるんだよと説得し、子どもたちはつまらなそうにしてノーサイドまで父親につき合っていた。

 青学には今春負けている。雪辱するとの早稲田選手のコメントが妙にもの哀しい。青学相手にそのようなコメントを出さなければならない今の実力が悲しくなる-青学には申し訳ない言い方だが-。早稲田は先発メンバー15人の半分以上8人が1年生、リザーブ8人の中にも2人いる。長く早稲田ラグビーを追いかけているがこんなに1年生が目立つのは初めてのこと。出ていない1年生にも逸材はいて、桑山弟は怪我なのかどうなのか今季6月を最後に試合に出ていないし、期待していた森島はBにも出ていないからまだ力不足なのであろう。
 今回も加藤・宮里は怪我なのであろう出ていない。前回スタメンだった黒木はリストに載っておらず、横山も名前を出していない。リザーブに登録されている勝浦は右足のテーピングが傷々しく、後半の後半に登場した。吉岡もリザーブに名を連ねているが、彼だけが唯一フィールドに出ることがなかった。

 セカンドジャージの早稲田の前半の前半はもたもたした流れで、青学陳内に攻めてもパスミスなどで攻めきれず、ため息が出てくる。25分頃になってやっと(!)岸岡がトライ。早稲田は攻撃するもパスを受ける相手がいなかったりして連携ができていない印象もあり、いいところはまったくない。それでもスクラムは優位に立ち、バックスが走り、モールトライもあり17-0となるが自陣で反則を行い青学に取られ、17-7で前半に入る。
 後半はやっと展開がよくなり、5トライを取る。青学が2トライ取るがすべて早稲田の反則・ミスから反撃されており、肝腎なところでのペナルティは今の早稲田では容易にトライに繋がれてしまう。それにプレースキックの精度を高めたい。位置がタッチラインに寄っている難しいキックであろうが、中央からずれた位置で蹴られたボールの殆どがゴールポストから外れてしまうのは不満。成功率をあげないと均衡した試合では致命傷になる。岸岡のプレースキックはボールに勢いがなく何となく頼りない。

 終わってみれば48-19で「雪辱」はしたのであろうが、前半の前半の精度の低さがかなりの不満。
 陸上競技場だからしようがないのであるが、スコアボードは草野球並みの立て看板みたいだし、選手の表示はもちろんないし、女性のアナウンスは聞こえないし、直上の上空にはオスプレイ2機がうるさく飛んでいくし、暫くすると空高く戦闘機らしき1機が轟音をたてて飛んでいるし、勝利はしたけれどスッキリしない試合で、齢重ねた自らに重ねた訳ではないが残尿感ある90分間だった。

 帰りは人並みにくっついて駅まで歩き、建ち並ぶ高層住宅ビルを眺め上げ、これが多摩ニュータウンの一画か、生活の歴史が染みこんだ地からはい出た住宅ではなく、無機的に設計された人工的な活気ある住宅群という感じがした。

 帰宅後、帝京と慶応の録画を早送りもしながら観た。慶応の集中力は早稲田を苦しめるだろう。帝京はやはり強い。日本代表のSOは力強いし、コンバージョンキックの成功率は100%でボールの軌跡も安定している。より強く感じたのは2番の運動量の多さとゲインする前進力、プレーの安定さ。これでまだメンバーが固定していないようだから、今季も抜きんでているのは間違いない。

 さて、早稲田は今後への期待も大きいが、取れていないコミュニケーションや遅れるときもあるフォロワー、つまらないミスや反則等々を改善して欲しい。まだ成長過程のひ弱さという感もある。
 青学の黒地に黄色の背番号は工事現場でも使われる色の組み合わせだけあって視認性がいいのだが、早稲田のセカンドジャージは背番号がジャージ模様の鎖に絡んでしまいとても認識しにくい。


0 件のコメント: