2017年5月5日金曜日

長谷川卓

 <長谷川卓 『父と子と 新・戻り舟同心』(祥伝社文庫、2017年)>:「戻り舟同心」の新シリーズ。もちろん中心は68歳二ツ森伝次郎であり、いつものメンバーが周りを固める。今回の物語の中心は上方の盗賊、夜宮の長兵衛が軸をなし、そこに真夏の存在が絡む。文庫本の表紙は牢内であり、顔を両手で覆う長兵衛に水を供する真夏とそれを見守る伝兵衛がいる。この表紙を覚えていて物語を読み続ければ最後の落としどころが容易に想像できる。真夏は小牧に見初められ、泥亀こと百井亀右衛門に養女に入る準備ができ、隼を思う伝兵衛の孫正次郎の恋はまだ先が長い。

 基本的に、時代小説は長谷川卓と永井義男のものしか読まないと決めてから1年ほど経った。佐伯泰英の「居眠り磐音」の子のシリーズにも手を出していない。鈴木英二を読まなくなってからは7年も経った。永井義男は新書を出しても小説は出していないからもう6年もご無沙汰。長谷川卓のもう一つのシリーズ「嶽神伝」の「鬼哭」を続けて読もう。

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