2017年5月10日水曜日

長谷川卓(2)、雑感

 <長谷川卓 『嶽神伝 鬼哭 (上)(下)』(講談社文庫、2017年)>:2006年から長谷川卓の小説を読み始め、殆どの作品を読んでいるはず。今回は二日続けて上下2冊をほぼ一気読み。
 シリーズを通しての人物が登場するが年老いた猿のトヨスケは物語のはじまりで死んでしまった。越後の長尾景虎(上杉謙信)、甲斐の武田晴信(信玄)、北条幻庵、山本勘助、ちょこっとではあるが松平次郎三郎元信(家康)・織田信長・木下藤吉郎も物語を彩る。舞台はもちろん駿府・信濃・越後でありそこを縦横に走る”山の者”(無坂・月草・真木備)と忍びたち。山本勘助は自らが予想した死地である第4次の川中島の戦(1561年)で戦死する。
 信長の余命は12年、秀吉は28年で今回の物語は巻を閉じる。戦国の世はまだまだ続くが、たかだか数十年で徳川の天下を迎えるとも言える。
 
 フランス大統領選挙、韓国大統領選挙、両方とも予想通りの結果と報道される。フランス大統領選挙後は極右ルペンの敗北で株価があがり、円安となった。その点においては当方にとってはいいことである。韓国新大統領は北と話し合い路線ですすむらしいが、果して話し相手として相応しいのか首を傾げる人は多いであろう。両国大統領選挙の投票率は70%代後半、高いのか低いのか、はたまた適当なのか不適当なのか。この半分以下ほどの投票率の結果で当選バンザイをする日本の政治家(地方も含めて)たちはお芽出度い存在にも見えるが、どうなのだろう。
 翻って日本の参院予算委員会での質疑答弁、滑稽を通り越して呆れてしまう。問題をすり替えての返答、皮肉った笑みを浮かべた答弁、木で鼻を括るという用語事例に相応しい応答、錆の浮いた刀で何度も切ろうと試合に臨む人たち、等々、ニュース解説では議員の劣化と言うけれど、劣化した物品は通常は廃棄して新品にするが、それもできないで劣化したモノを見つめて喋っているだけの感もある。「自民党総裁としての考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてある。ぜひ熟読して頂いてもいい」でふと思った、首相は読売新聞を自らの広報誌と捉えているのかと。

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