2018年2月5日月曜日

漫画と小説

 4日、気力が沈み込んでいて、何もせずにぐだぐだと惰弱な一日。先日飲んだ日本酒の四合瓶が半分残っていて午前10時から飲み始め、追加の焼酎を注いだグラスに口をつけないままに寝込んでしまった。前日の深更に及ぶ読書での睡眠不足がたたった。酒が無気力に拍車をかけ、ATPのHPにて錦織の復帰後初優勝となるチャレンジツアーのテニスを眺めていた。

 <原泰久 『キングダム49』(集英社、2018年)>:趙/李牧との戦いが続く。

 <樋口毅宏 『愛される資格』(小学館文庫、2017年、初刊2014年)>:著者7冊目、2年ぶり。アナクロな上司の妻と性愛に耽る。同僚の女性もあけすけに性交を語る。天才として佐藤優や白石一文が語られ、早稲田のラグビー(3軍)出身の上司、実存する企業が出てくる。あけすけな性交描写と性器の観察、これは「純愛」ではなく、純愛的「官能」の本。「樋口毅宏の最高傑作」と評した有隣堂の書店員がいたと付記されているがこの小説のどのような内容が「最高傑作」とされたのか分からない。著者の一連の作品を通して描かれる世界がこの小説でさらに烈しく表出されていると捉えたのかもしれない。
 黒澤明は「天才とはね、要するに記憶力なんだよ」と語ったことが冒頭にでてくるが、これは肯ける。高校時代にずば抜けてトップの成績を保ち、東大に進学したクラスメートがいたが、彼は大して勉強もせずにいたらしいが、教科書の内容をすぐに記憶していたと他の友人に聞いたことがある。また、友人の長男は仙台市の某高校卒業生で最初の東大入学者だったが、父親が思い出すには抜群の記憶力があったとのことである。全10巻ほどの本をささっと読んで、あれは何頁に書いてあるとか言っていたらしいし、あることの間違いを注意しても、それは何の本の何頁にこう書いてあるから正しいと反駁していたと言っていた。田中角栄も記憶力は図抜けていたとはよく指摘されることである。ただし、東大に入学した前記の二人は常識人からすればまともな人生を送ってはいない。凡人には天才の世界を想像すら出来ない。

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