2018年2月15日木曜日

現代学生百人一首より


毎年恒例の東洋大学「現代学生百人一首」、第31回入選作より以下を選択。今年も母校の女子が選ばれた。

ああ、これが表面張力というものか私の中の苦しみのコップ
我が母校の2年生女子高生、胸いっぱいにこぼれんばかりの青春。玄冬期にある私の中には渇きつつあるコップ。

知能増え機能も増えた機械達人の個性は絶滅危惧種
その「機械達」が「公」と言い換えられて「個性」は「出る杭」となって叩かれる。

手強いぞ言ったら引かぬ更年期言われて聞かぬ私思春期
そして頑迷固陋な高齢前期の私。

Jアラート鳴った朝でも教室であくびしている僕らの未来
真摯に来し方に向き合うこともなく、現在時点の脚下を看ることもなく、行く末に妄想を描く。それを固有の文化とか伝統とかの言葉で糊塗すれば、いやがおうにも若い人たちのみならず、多くの人たちは欠伸でもするしかなくなる。

とび作業単管触るとじわじわと伝わってくる太陽の温もり
無機質なモノであってもそれを作る喜びは、自然の恵みを受ける中で、そのモノの冷たさ・暖かさや匂いなどを感じることであろう。この句の作者はきっといい職人さんになる。

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