2018年2月15日木曜日

漫画、ミステリー

 <高野史緒 『カラマーゾフの妹』(講談社、2012年)>:第58回江戸川乱歩賞受賞作。 『カラマーゾフの兄弟』の続編となる小説。原典は読んでいないので、原典に忠実に沿っているのかは判らないし、続編という読み方もできていない。ミステリーとして読むと、多重人格者やロケットがでてくることに荒唐無稽さと陳腐さを感じる。『カラマーゾフの兄妹』とでもしたかったのかもしれないが「妹」の意味は薄く、退屈した。原典の謎や矛盾を追いかけてミステリーにするというのは、一冊の完結する小説としてはつまらない。

 <石井明日香 『ひさかたのおと 1』(講談社、2018年)>:4歳の時に島を離れた巽が中学校の社会科講師として戻ってくる。幼かった巽を知っている靑島(靑の漢字がいい)の人たち、風と雲と海と風、そして全体を包む「おと」。離島のファンタジー。この世にあるはずもないファンタジーに引き込まれ始めている。メインの人物の名前に漢字一文字が多い。作者はこだわっているのか。
 朝日新聞の2/11書評で知り、イトーヨーカドーの書店で偶然に目にした。カバーのブルーがきれい。

 ヨーカドーにある新星堂がなくなり、がらんとしていて椅子などが置かれていた。昔、クラシックに詳しいロビンソンの新星堂店長さんと知り合いになり、CDを買って会話するのが楽しみだった。その店長さんは体調を崩して宇都宮に移り、その後は新星堂でCDを買うことは激減した。ネットからのダウンロードが主流になっているのだろうし、また、ハードであってもネット購入が増えるとともに店舗でのCD購入者は減り、秋葉原ヨドバシのタワーレコードも店舗規模がかなり縮小した。それ以前に店舗でのクラシックコーナーは狭くなっている。

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