2018年9月6日木曜日

行ってみたい時代?

 「行ってみたい時代」にてアンケート結果が掲載されている(朝日新聞、2018年8月25日)。第1位から20位までがリストアップされ、そこに敗戦後の時代がなかったことに意外感を抱いた。20位に続くとしてやっと”占領・復興期(1945~50年代半ば)”が補足的に記述されている。
 第1位が”高度成長期(1855~73年)”(311人/1282人)、第2位が”バブル期(1987年~91年)”(300人/同)でその次は”平安時代”だから平穏な繁栄した時代を懐かしむor憧憬を抱くのかもしれない。そして”幕末(1853~68年)”、”江戸後期(18世紀初頭~1853年)と続く。
 自分が”占領・復興期(1945~50年代半ば)”に行ってみたいと思うのは、一つに混沌の中にこそ最も未来への展望の礎を築く可能性が高かったのではないかと思い、一つに価値観をドラスティックに変化させられる時代であったと思うからである。三つ目にそれらの可能性に気づくことなく大方は潰してしまったと思うからである。その結果がいまの懐旧的志向に対して繰り広げられる無駄な議論、腐敗した権力構造、前近代的な格差・差別、無責任体制・社会、等々に繋がっていると思う、譬えれば「東京五輪学生ボランティア応援団」に書かれているような。

 <中村文則 『A』(河出書房新社、2014年)>:全く楽しめなかった。社会に棲息する普通人が内面に潜めている異常性を顕すとこうなってしまうのか、と。

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