2018年9月1日土曜日

雑記

 <待鳥聡史 『代議制民主主義 「民意」と「政治家」を問い直す』(中公新書、2015年)>:代議制民主主義の基本概要をある程度は理解しておこうと頁を開いた。歴史の記述や国別による比較は軽く流し、日本の制度や課題を中心に読む。選挙制度、多数決決議に不完全さがあるのは当たり前であって、そもそも民主主義を絶対視することにも懐疑的であり、「代議制民主主義の具体的なあり方に「正解」は存在しない」のであって、結局のところは議会制度の中枢にいる、人格性と置き換えてもよい個々人の問題に行き着くと思う。

 <フェランデズ/カミュ 『バンド・デシネ異邦人』(彩流社、2018年)>:カミュ『異邦人』、高校時代か20歳くらいに読んだ記憶がある。『ペスト』も新潮文庫のシルバー色カバーを覚えている(間違っているかも知れないが)。読んでどうだったのかは全く記憶になく、ただ文学に触れるときの必須小説だとの流れに入って、おそらくは理解も出来ずに活字を追い、頁を捲っていたのだろう。しかし、自分が世の中を眺めるときの視座というか理解方法というか、些少は影響を及ぼされていると思う。なぜなら今このマンガ版に眼を通すと違和感なく頭に入ってくるから。「不条理」などとあえて肩肘張らずとも、この世の中の人間が、あるいは総ゆる命が生まれて消えるその流れに「条理」で説明できるものなどありはしないと思う。あるとすれば「不条理」と説明するその「条理」だけという、その感覚が離れない。

 本に書かれている内容の取捨選択、精読すべき箇所と棄てる箇所をはっきりさせるように読書方法を変えた。それによって本を読むスピードがあがっている。振り返りのために要点を整理し、エクセルにまとめることだけは省かないようにしているから、学術書的な本は2度読みになる。これは佐藤優の著作から多くのヒントを得ている。

 今日は午後から新宿に出かけ、友人たちと飲む。猛暑から気温が低くなっていることがありがたい。酩酊、泥酔、電車乗り越しに注意せねば。

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