「自由主義」と訳されるリベラリズムは、著者は「正義主義」とし、基本は啓蒙と寛容であり、両者のネガの部分を切断してポジの部分を結合することが「正義」だとする。そこに重要なことは「反転可能性」で、これは簡単に言えば、一般的に言われる”立場や視点を換えて”ということと理解し、得心する。
「九条削除論」と「戦争の正義」、「徴兵制」に強い興味を持った。憲法について思いを書けば、「原理主義的護憲派」ではなく、「修正主義的護憲派」でもない。要は「護憲派」的ではないが、日本の現実を考えれば今は「改憲」すべきではないと思っている。・・・実体は、何も考えずとも、時は進み、個人の力の及ばない何かが大きく作用して世の中が動き、その中で生き続けているだけ、という感が強い。それでいいのかという思いと、現状政治や文化的状況などへの不満を引きずりながらではある。
<新川帆立 『元彼の遺言状』(宝島社、2021年)>:休業中であるが弁護士。作家になるためには生活基盤となる収入を得ようと弁護士になったとか、どこかで目にした。
「このミステリーがすごい! 大賞」受賞作-賞金1,200万円は羨ましい-、勝手なイメージで言えば推理小説と古典的探偵小説の間にあるミステリー、といった感じ。主人公の女性弁護士はお金第一の際立つキャラであり、軽いのりで楽しめた。文章-人物描写や感情表現-は下手。弁護士ならではの(?)知識が活かされていると思うが、大成しないと思う。
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