2023年9月3日日曜日

心臓エコー

 5年ぶりに心臓のエコー診察を受けた。特にどこか具合が良くないと言うことではなく、前回の検査から5年経過したので受けてみた。血液が流れ出すところ(S状の部位ヵ)が少し狭くなっており血圧に注意しておきましょうとの医師の言葉。前回はS状中核と診断されたからおそらく同じ箇所であろう。特にどうするとかはなく、高血圧に注意を払い、今後も定期的に検査をしていけばいいだろう。
 2週間ほど前に採血した血液検査の結果も出た。中性脂肪は標準値範囲の中にあり、総コレステロールが少しだけ基準値からはみ出している。あとはすべて基準の範囲内。酒好きで若いときもよく飲んでいたが、肝機能に異常値がでたことは過去一度もない。自分自身の身体だけれどこれだけは妙に感心してしまう。

 <永井義男 『隠密裏同心 篠田虎之助 最強の虎 ニ』(コスミック・時代文庫、2023年)>:北町奉行所隠密廻り同心大沢靱負(ゆきえ)、主人公の関宿藩士篠田虎之助、その友人で同じ道場に通う原牧之進。大沢と篠田が変装をする田中屋は猪之吉とお谷が営んでいる。新しい登場人物はお蘭16歳、薙刀と鎖鎌を使う。彼等が事件の謎を解く。お蘭のキャラがまだ描き出されていないのは次巻以降への含みであろう。

 <永井義男 『ご隠居同心』(角川文庫、2023年)>:コスミック文庫のシリーズを引っ張り出して「大ヒット「秘剣の名医」の著者、新シリーズ」と帯に謳い、角川文庫としては初めての永井義男の本。つまり、他社でのヒットシリーズにあやかって企画出版されたものである。元同心(といっても内勤)で、長屋で隠居生活を送る重行が、身近におきた謎を解き、あるいは身請けされた花魁の脱出を手助けし、現役の頃には味わえなかった外廻り役人と市井の生活をエンジョイする。小さな出来事をつなぎ合わせた一冊という感覚がある。

 <井戸川射子 『この世の喜びよ』(文藝春秋3月号、2023年)>:前回の第168回芥川賞受賞作の一つ。文藝春秋が書店に並んですぐに買ったのだけれど、どうもこの小節の二人称語りというのに馴染めなく、放っておいた。「純文学の王道ともいうべき身辺雑記を独自の光学で描いたもの」(島田雅彦)と評されるが、「出来事らしい出来事も起こらない。常同的な人物、常同的場所、常同的な日々」(松浦寿輝)を自己肯定的に描く二人称語りがこの世のものではないような感じもして、何が何故に喜ばしいのか理解力(読書力)が及ばなかった。ある種の、自分自身の振り返り、客観視、自意識過剰ともいえこの小説に壁を感じた。

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