2025年2月27日木曜日

まとまりのない読書

 最近は以前にも増して国内外政治関連のニュースを見るのが嫌(厭)になる。まして朝に流れていたのと同じ映像が繰り返し流れるとほぼ確実にオフにする。なぜなら、腹が立つやら苛立ちを覚えてしまうから。なぜにこうも人間は愚かなのであろう、否、愚かなことに自覚できない政治屋が多いのであろうか。

 <永井義男 『隠密裏同心 篠田虎之助 最強の虎 五』(コスミック時代文庫、2024年)>:ニ部構成で物語が二つ。何も考えずにただただ小説の中でゆったりした時間を過ごせる。

 <澤宮優・平野理恵子 『イラストで見る 昭和の消えた仕事図鑑』(角川ソフィア文庫、2021年/初刊2016年加筆修正)>:後期高齢者の我が身にとってはこの本に描かれていることはほぼ全てを見聞きしている。懐かしくもあり、過ぎた年月を尚更に重く感じてしまう。思い出すのは、大学に入学した時に上野公園の近くの道路沿いに白衣の傷痍軍人が金銭を求めて数人いたことで、戦後23年ほども経つのにこういう状態がまだあることに驚いた。高校の修学旅行先では自転車の荷台でアイスキャンデーを売っていたし、小学生の時には奥会津でポン菓子製造機が子供たちを集めていたし、苦学生(の空気を漂わせた)学生服の男性が鉱山社宅を回って鉛筆を売り歩いていた。
 昭和になって今年で100年が経った。戦後の団塊に生れ、学生運動がまだニュースとなっていた高校・大学時代前期、結婚して子供が誕生し・・・・思い出せばきりがない。

 <寺田浩晃・筒井康隆 『残像に口紅を』(KADOKAWA、2025年)>:筒井康隆の作品を漫画にしたものであり、原作は読んでいない。残像は虚構で口紅は現実なのか。現実は何かに支配されていて実は虚構の中で生かされており、その虚構を鳥瞰して楽しもうとするのが現実なのか。

 <加藤文元監修 『知識ゼロでも楽しく読める! 数学のしくみ』(西東社、2024円)>:帯には「文系でも、初学者でも、学び直しでも、これならわかる」とある。大学の工学部を卒業し、サラリーマンとなってからも定年退職まで機械の開発設計に携っていた。だから一応は理系人間という矜恃(自惚かも)はあるし、数式にも数学用語にも抵抗感はない。しかし、図形の基本的定理ももうほんの少ししか覚えていないし、二次方程式解の公式すらおぼろげでしかなく、立体体積の算出式すら覚えていない。本書を手に取った意味は、かつて身を置いた理系的環境の中に身を入れて楽しんでいるに過ぎない。
 大学時に使用した材料力学のテキストを最初から最後までトレースしてみようと思うのだが、なかなか時間を割けないでいる。

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