2015年11月15日日曜日

レコード・プレーヤー

 持っているアナログ・レコード/LPはクラシックを中心に250から300セットほどでしかなく、CDを聴く方がはるかに多い。しかし、レコードを鳴らす装置だけはいつも準備OKにしておきたく、レコードプレーヤーは手放せない。それに年に1回程度は市内の中古レコード屋さんに足を運んでポップスのEP盤(いわゆるドーナツ盤)を購入し、デジタル化して楽しんでいる。ついこの前も8枚購入してきた。

 フォノ端子のあるアンプは物置に放置してしまい、現在はフォノイコライザー経由でオーディオ機器に接続しスピーカーやヘッドホンから聴いている。フォノイコライザーはADL GT40αで、これはフォノイコライザー内蔵USB DACで24bit/192kHzのDAC & ADCおよびヘッドホン・アンプの機能を有し、コストパフォーマンスの良い優れもの。カセット・デッキなどの外部アナログ・ソースからの入力も可能で重宝している。これを購入した大きな理由は将来レコードプレーヤーを新規購入する場合にフォノイコライザー内蔵のものに限定したくなかったことが大きい。購入する際はレコードを回すとという機能に特化し、フォノイコライザー内蔵に要するコストを省いたものが欲しくなるのは目に見えているからである。それと、このGT40αはPCにUSB接続するだけでハイレゾでのデジタル化ができることも大きかった。

 PCの近くには、接続せずにオープン状態にしたオーディオ関連のUSBケーブル4本を雑に並べており、都度PCに接続してハードウェア設定を確認しながら音楽を聴いているのだが、時々PC設定を忘れてしまい(年齢のせいか)、音が出ないときは設定を確認するという煩雑さはあるにしても、それはそれでボケ防止にはなっているのかもしれない。

 レコードプレーヤーは44年前に購入したPioneerのPL-25E(当時のリスト・プライス-L/Pは30,000円)を使用していたのだが、ベルト・ドライブであるが故に使用勝手が悪い。ベルトが伸びてしまうので普段はベルトを外しており、使用するときにはターンテーブルを外してベルトを掛けるという面倒さがある。それにストックしているベルトは長い間には劣化(硬化)してしまう。回転部分が(ダイレクト・ドライブよりは)多いので注油メンテナンスも必要。最近もベルトの伸びにより回転が不安定になった。また、モーターのドラッグ・トルク増加に伴う回転不良に陥り、注油して復帰したことがあった。
 新品を買おうといろいろ当たってはいたのだが、安価で性能がそこそこあるものはベルト・ドライブが主流で、ベルトの消耗を考えると二の足を踏んでしまっていた。修理覚悟の中古品を探してハードオフにも何度も通っているのだがいいものがでない。

 親しい友人と飲んでいるときに、ダイレクト・ドライブで性能の良い中古品が欲しい、トーンアームのリフトアップができないような補助機能は動作不良でも構わない、カートリッジも要らない、などと話していたら、その友人が使っていない古いレコードプレーヤーがあるからあげるよと言ってくれた。明年に会津に行ったときに譲り受けようと思い嬉しくなった。
 ところが、なんとその友人は2週間程前にそれを送ってくれた。しかもあて板とエアキャップで丁寧に梱包した状態で送ってくれた。しかも、綺麗で汚れていない。自分が使っていたPL-25Eは外観は傷だらけで、カバーやそのヒンジは原形をとどめていないが、届いたものは新品同様であった。

 頂戴したプレーヤーはPioneer PL-1400でカートリッジも付いている。1974年発売の商品でL/Pは当時の自分の手取りの月給をも上回る67,000円。回転させてストロボ・スコープを確認しても全くブレがなく安定している。兎にも角にも42年前の発売とは信じられない美品である。それでも自分の性格からトーンアームは分解して磨き、カートリッジからの配線はすべて半田付けし直した。カートリッジはそのままとし、針を新品にし、最初の音出しをしたら一発で何の歪みもないいい音が出た。PL-1400およびカートリッジの性能はそれまで使用していたPL-25Eをすべて上回っており、PL-25Eに替わって主役の座に置いた。使用している他のオーディオ機器はすべて小サイズであるのだが、このPL-1400は11kgの重さでドシンとした存在感をもって自分のいつもの位置の左側に鎮座している。44年間一緒に暮らしてきたPL-25Eは部屋の隅に置いてスペア機器の如く存在と化した。
 ・・・・それからはLPを聴く機会が多くなっている。何せ操作性が良い。長く聴くことのなかったLPを時々引っ張り出しては聴いている。