2017年6月25日日曜日

樋口さんの新刊

 <樋口有介 『あなたの隣にいる孤独』(文藝春秋、2017年)>:母と二人、戸籍なし、15歳の少女、アパートには帰るなと連絡を最後に突然に母からの連絡が途絶える。舞台は川越、小説家志望の周東とその祖父の秋吉秋吉(あきよししゅうきち)。
 樋口さんの新刊を知ればぐに買う。この小説も発売と同時に手にして間をおくことなしに読んだ。樋口さんファンなので楽しめるのであるが(女子高生も可愛いし)、物足りない。母が玲菜と逃げ回ることになる動機が深く描かれていないし、最後もあっけなく終わってしまう。それに、自分としては興味の薄い料理の描写が多い。樋口さんの小説ではある時期から食べることが多くなっている気がする。でも、まあ玲奈と周東と秋吉のシーンは楽しめた。何せ、樋口ワールドが好きなのだから。

 今年になって読んだ本は(月10冊にも達していないが)合計40冊を超えている。なのに未読の本が2冊増えている。もちろん読もうと思って買うのであるが、なかなかそれに割く時間を持てないでいる。
 何かに時間を割くということは他の何かに費やす時間を捨てることなのだが、それが上手に運べないでいる。集中と選択がなくて発散したままで、この性癖はなかなか修正ができない。

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