2018年1月25日木曜日

新年会、漫画と文庫本、雪

 20日は高校同窓会の新年会兼総会。横浜で開催するのは初めてのこと。桜木町で14:30から飲み食いし、その後は関内近辺でカラオケ、そして横浜宿泊組の3人で3次会。伊勢佐木町のホテルに泊まるのは久しぶりのこと。
 翌日は朝食後に上野に移動し、国立科学博物館にてのアンデス展を見る。混んでいるかと思ったがさほどではなかった。上野で別れて解散。

 <田中圭一 『神罰1.1』(イースト・プレス、2015年)>:前作『田中圭一 最低漫画全集 神罰』の「微妙にアップデート! 増補増ページの新版」。
 前作を手にしたときの面白さ、下劣さが伝わってこなかった。それはもう彼の「最低漫画全集」に慣れてしまっており、また馬齢の重なりによって自分が鈍感になっているのだろう。前作は面白がって息子にあげたけれど、これは古本ショップに発送する予定のバッグに入れる。

 <ハインリッヒ・シュリーマン 『シュリーマン旅行記 清国・日本』(講談社学術文庫、1998年、初刊1991年)>:トロイア遺跡の発掘で有名なシュリーマンが事業を畳んで世界漫遊に出たのは43歳。清を訪れた後に日本に上陸したのは1865年(慶応元年)の6月1日で、7月4日に横浜からアメリカに発った。僅か1ヶ月間の滞日期間ではあるが、人々の様子も含めて江戸末期の日本を活写している。家茂の第2次上洛時の江戸出立をも見物している。他の欧米人による旅行記とも共通しているが、清への評価はかなり辛辣だが、日本へのそれには煖かく包むような気持ちが感じられる。それに(バードとは異なって)欧米からの視点を高くはしていない。その意味でシュリーマンの視座は偏らず客観的である。「ある民族の道徳性を他の民族のそれに比べてうんぬんすることはきわめて難しい」の一文にも表れている。それは彼が北ドイツに生まれ、オランダで生活し、ロシア/ペテスブルグでビジネスに成功し、アメリカにも銀行を持ち、多国語を学んだことも背景にあるのだろう。
 日本を発った翌年には考古学をパリで学び、冒頭のトロイアに繋がっている。
 読んでいる歴史のテキストは政治史的側面に偏重しがちであるが、外からの視線で日本の風景、生活を描く本を読むと、当時の情景が少しは実感をともなって頭に入ってくる。
 訳者のあとがきやエッセイを読むと、彼女が原書に触れて翻訳をなした喜びや達成感は充分に伝わってくるのだけれど、家族のエピソードなどや、「私」を多く出していることにうっとうしさも感じた。

 久々に雪が積もった。雪国育ちであるから雪が降る情景は懐かしさもあって嬉しくなる。その後の記録的な寒波では、テレビのニュースに富山市や秋田市の様子が映し出され、自分がそこで暮らした冬の生活がふわっと思い出される。また隣町だった只見町の激しい雪の様子を見たときは小中学校時代に雪の壁に沿って学校に通った50年以上前の情景が浮かんできた。雪の厳しさを感じる前に、あのような生活は日常的だったと懐かしむ自分がいる。

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