2020年2月15日土曜日

『背高泡立草』

 <古川真人 『背高泡立草』(『文藝春秋』、2020年3月号収録)>:読み始めた途端に文章の読みにくさというか、句読点の使い方がすっきりせずに、自分ならばどう書くのかと立ち止まってしまった。読み進めても時々は引っかかりを感じて滑らかには入ってこない箇所があった。全体への感想はというと「つまらない」に尽きる。時間の異なる3つの物語が繋がりもなく描写される。「緻密さと冗漫さがないまぜ」(宮本輝)になっているが、「冗漫さ」しか感じられず、作者は「結局はただわけもわからぬまま書いているように見える」(松浦寿輝)という指摘が的を射ていると感じる。

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