2020年3月20日金曜日

好きになれない本2冊

 <大澤めぐみ 『彼女は死んでも治らない』(光文社文庫、2019年)>:休むことがなく次から次に発せられる言葉、奇想天外なシチュエーションのミステリー、まぁ、そんな概説を何かの記事で見てちょいと興味を持って本作を注文したんだけど、表紙はなんだかコバルト文庫かスニーカー文庫-両方とも読んだことはない-のような趣で、目次にはこりゃなんて言うんだか女の子が可愛く少女漫画-読んだことはない-のようなイラストがあり、間違った家のドアを開けてしまったような気分になった。第一話のストーリーはというと、美少女沙紀ちゃんが首を切られて逆さにぶら下げられ、パンツ丸出しで首から血を垂らしていて、それを沙紀ちゃん大好きな羊子ちゃんと探偵助手役の昇が見つけ、密室殺人事件の謎を二人が解決し、犯人の美術女教師はその場で黒いドロドロにバキバキされて黒い穴に吸い込まれ、沙紀ちゃんは生き返って地の痕跡も消失してしまう。・・・こういう非現実的で明るいホラー的な設定で謎ときはされるんだけど、そもそも目次の絵を見てもう異世界の小説であることは端っから分かっている訳で、じゃぁ読まなければいいじゃんとも思ったが、そこはそれ一応費用はかかっているので義務的に頁は開き続けた。
 第二話以降は斜め読みになってしまい、オレには到底好きになれない異世界の小説であり、まあ手に取って読んでは見てみたが、こんな本はつまらない、読むべきでなかった、時間の無駄だったと言うことは過去にも時たまあって、でもこういう、オレにとっては異質な小説も存在するという知識を得たという意味においては意義があったのかと思わせる一冊だった。ライトノベルの部類に入るのだろうけれど、文章はしっかりしていて語彙も(オレよりは)豊富で、知的な作者であることはうかがわせられた。大澤めぐみと入力するとあるwebでは「日本の女装小説家」とあるが、これってホント?とも思うが、まだwikipediaには載らないような新鋭作家であるようで、もう二度と読むことはないであろうとするが、これは作者を批判している、あるいはけなしているのではなく単に趣味に合わないということだけ。

 <さくら剛 『海外旅行なんて二度と行くかボケ!!』(産業編集センター、2019年)>:新聞で本書の宣伝を見た時、以前よく読んでいた旅行記を思い出し、久しぶりに読んでみようかと思い手に取った。書名から受ける印象はおちゃらけた感じであるが、書かれている内容は真面目で、表現方法がよく言えばくだけているというか、悪く言えばふざけている。文章のポイントが大きくなって太く強調されるものは好きになれない、昔のパートカラーの日活ロマンポルノみたい。基本的にはふざけた文章は好きでない。でもまあ書かれている旅行トラブルは軽いけれど面白くはあった。繰り返しになるが文体は大嫌い。この作者の本にも二度と触れることはなかろう。

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