2019年6月9日日曜日

三島の映画、若尾文子など

 日中一度も外に出ないこともある。音楽を聴くあるいはLPを聞きながらwaveとして取り込む、本を読む、読んだ本の重要ポイントを抜き出してPCに書きとどめる、録画したドラマや映画を眺める、スマホで単純なゲームをする、アルコールを飲む、こうして時折ブログの記事を書く、等のパターンしかない。いずれも二つのことを並行している。テレビを見ながら本を読むということに、あるいはPCのキーボードをたたきながら、目や耳を他のことにも向けることに連れ合いは感心したり呆れたりしている。何か一つのことだけに没頭することに時間が勿体ないという気持ちがある。

 金曜日(7日)、一人でいて焼酎を飲みながら録画した映画を観た。興味本位で三島由紀夫が主演する「からっ風野郎」、1960(昭和35)年の作品。内容的にはつまらないものであるが、三島は時折上半身裸の筋肉美を晒して自己顕示欲を充たしているようでもある。鋪装されていない道を車が走り、きちんとしたネクタイ背広姿のヤクザに妙に律儀さを感じたり、綺麗とは言えない室内の壁や家具に60年程前の日本の状況を思う。
 三島の大根役者ぶりは嗤うしかないが、共演している26歳頃の若尾文子は奇麗だった。彼女が演じるもぎりの仕事は月5000円の給料であったこと、ウィスキーを「舶来」と称して飲むシーン、赤籏とストライキと労働歌インターナショナル、ヤクザの強襲、官憲に捉まる労働者、何もかもが既視感のある情景である。若いときの若尾文子の、「十代の性典」あたりから「処女受胎」あたりまでの、映画の中の彼女を眺めたい。

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