2019年8月12日月曜日

オーディオ・レイアウト、『日本春歌考』

 現在のオーディオ・レイアウト左半分。写真にない右側はライト側のスピーカーとサブウーファ。装置の結線は結構複雑なので、もう動かす気持ちはないし、故障でもしない限り新規購入もしない。

 <添田知道 『日本春歌考』(刀水書房、1982年)>:初刊は『日本春歌考 庶民のうたえる性の悦び』(光文社カッパブックス、1966年)で、本書は『添田唖蝉坊・添田知道著作集 5』として1982年に出版された。初刊と異なる点は、「「春歌」次第書」と大島渚の解説(「「春歌」、「そして「猥歌」」)が追加されていることで、この二つは本文と同様に興味ある内容となっている。
 「春歌」という言葉は江戸時代に用例はなく、「売春婦」「売淫」もなく、近松の浄瑠璃に「ばいた(売女)」が見つかる程度と述べられている。大島が「カッパの本はすべて知識のカタログに過ぎない」と断じているのは得心する。一方で「カッパ」の本を開いたのは随分と昔のような気がする。
 春歌、替え歌が沢山載せられている。知っている、口遊んだことのある歌もある。懐かしくもある。「<チン>と<マン>はこよなく、美しい<音の符>である。<ソソ>にしても同じ、つつましい美であ」って「本然の美」であり、だからこそそこには、「性」の延長線上にあるおおらかな生活、背後にある時代を感じる。
 因に大島渚は映画『日本春歌考』(1967年)について、「この本が出たあとすぐ題名を借りて映画をつくった」と書いている。

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