2022年12月13日火曜日

またもや雑記と本一冊

 「国民のみなさんにしっかりご理解いただけるように丁寧に説明していく必要がある」。このフレーズはいつどのような場面でも使い回しできる。すなわち、無味乾燥な空虚な言葉でしかない。丁寧という言葉の意味、説明するという意義を理解していない上の言葉遊びでしかない。国民という存在は結局のところ政治屋が地位を得るために道具として弄ぼうとしているに過ぎない。できることは弄ばれないように努めること。

 ほったらかしにしている花壇-というにはおこがましいが-その花壇の中央の木に奇麗なピンクの花が咲いていた。あれっ、この木には花が咲くんだっけと意外に感じ、しかも何の花なのかも知らない。木の幹にぶら下げていた色褪せた札を見るとシンオトメサザンカだった。
 <渡辺京二 『さらば、政治よ 旅の仲間へ』(晶文社、2016年)>:幾つかの言葉をピックアップしておく。
 「・・常識で判断したいと思っている。・・・私が言っているのは、自分の持っている理性の働きからふつうに出てくる考えのことだ。私は理屈に合わないことは、あるいは観察のもたらすことと合致しないことは受け入れない。それは私の自然な精神の働きで、それを常識と言うのだ」
 「問題は国際社会における日本の地位などではない。フィンランドやデンマークやブータンは、小国だからといって不幸だろうか。・・・日本はそこに住む人たちにとってよい国になればいいのである」
 「ともに生きている他者への責任を果し、他者とともに生きることに生き甲斐を見出したい」
 「私は国家の受益者であるから、それなりの代償は払う。しかしそれ以上は国家と関らぬ個でありたい」
 「・・・刹那化、非連続化こそ心配・・・」
 「言葉(概念)に前もって善悪、正・不正、民主・反民主、進歩・反動の色がついていて、そういう色つきカードを操作することが論壇の仕事になっている。考えるというただひとつのことが欠落しているのだ」
 「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」(寺山修司)
 「ヨーロッパでは産業革命(Industrial Revolution,)、同時代に日本で起こったのは勤勉革命(Industrious Revolution).。・・・産業革命は資本投下、勤勉革命は労働力投下」(日本の経済史家) 「政治とはせいぜい人々の利害を調整して、一番害が少ないように妥協するものです。それ以上のものを求めるのは間違っているんですよ」
 「変わるというのは、無節操なのではなくて、ひとつの方向性を堅持しながら、いつも新しく転換し続けること」

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