2016年3月19日土曜日

小説2冊

 速歩でのウォーキングで結構な汗をかくような時季になり、帰宅後はシャワーを欠かせなくなった。短時間のジョギングはするのであるが根性がなくすぐに歩きに切り替えてしまう。それでも汗をかいてシャワーを浴びた後は心地よい。
 いつものコースの桜も近いうちに咲き、毎年繰り返している風景となるであろう。

 検索しやすいようにCDの一部を並べ替える。
 またぞろオーディオ機器を探している自分がいる。オーディオの趣味とは畢竟物欲であるとは名言であり、初級から中級クラスの機器しか相手にできなくとも新しい、グレードアップしたものは欲しいのである。取敢えずは間もなく発売になるであろうSWD-DA20に惹かれている(DA10はあるのだがそれは息子にでもあげるか)。また、フリーソフトHYSOLIDにも関心があるのだが、コントロールはiOSかAndroidのスマホだけ。しかし、そのOSのタブレットもスマホも持っていない。安価なスマホを購入するか思案中。買うとなればSurface3に装着しているsimの回し使いを可能にするsimフリーとするが、ホントに必要なのかという声が自分の中にあり、葛藤中。


 <東山彰良 『流』(講談社、2015年)>:153rd直木賞。台湾を舞台にした台湾人の家族小説、青春小説、現代史小説、推理小説、・・・。楽しめた。蒋介石が死去した1975年4月に17歳の主人公葉秋生が、台北でもトップの高校を退学して最低レベルの高校に転学し、殺された祖父の死を追いかける。家族・親戚・友人・恋人・恋人の親戚・ヤクザに囲まれ、混沌とする台湾のなかで喧嘩・暴力・恋愛と別れのなかで生き、違法に中国に渡り、漸く祖父を殺した相手を特定し、恋人が去って行った理由を知る。
 台湾が舞台で台湾人が活写される小説であり、知らない熟語や孔子の箴言があり、また活き活きとした文章が跳ね、1970から80年代のポップスもあり、400頁の長編でありながらほぼ一気に読んだ。久しぶりにエンターテイメント大衆小説を楽しめた。
 少々不満があるとすれば、それは、祖父を殺した犯人の殺人動機、恋人が去った理由が小説の広がりを萎ませてしまっていると思うからである。即ち、両者とも主人公の身内-祖父の過去の所業、父親の若かりし頃の無分別-に帰するからである。

 <長岡弘樹 『教場2』(小学館、2016年)>:警察学校小説の第2弾。前作と同じく登場するのは教官風間と警察官を目指す学生たち。暖かく人を見る姿勢と怜悧な態度。短いストーリーの中に伏線となる描写があり、鋭く、簡潔に余韻をもって結ばれ、なる程と得心した感想を6編それぞれ抱く。秀作。