2018年10月22日月曜日

泥酔懺悔

 <- 『泥酔懺悔』(ちくま文庫、2016年)>:12人の女性作家による酒にまつわるエッセイ。
 オレも酒は好きだし、いろいろと沢山の失敗はあるし、もちろん泥酔も思い出せないくらいある。しかし、”大学生になって、酒に酔って泣いて笑ってセックスをしまくって傷ついて、だからといって大人になるわけではない大学生活を送った”(瀧波ユカリ)わけではない。大体、金もないし、かといってアルバイトをしたくもないし、それに大学では周囲に女性がいなかった。
 ”急性アルコール中毒になり救急車で寮の修道院に運ばれ、結婚してから5歳の娘が威勢良くビールを飲み、みごとな足の運びの千鳥足の酔っ払い”(平松洋子)を経験したこともないし、”盛り上がって知らない酔っ払いのハゲ頭にマジックでお陽さま印を書く”(室井滋)こともなかった。
 自宅で”下半身裸のままにトイレの床にとぐろを巻いて横たわる”(三浦しをん)こともなかった。但し酒の強いオレに対抗して泥酔した同僚が居酒屋のトイレで便器に顔をのせて酩酊状態になっていたことはある。
 ”テーブルのしたで脚の指をつかって母のスカートめくり、娘にお酌をさせる”(大道珠貴)ような家族ではなかったし、酔っ払って”家で目が覚めたらジーンズがなくなっていた。はいていなかったのではない。クローゼットにも、家にもない”(角田光代)という摩訶不思議なことも経験していないし、まして人前でズボンを脱ぐとか尻を出すとかの性癖も持ち合わせていない。そういえば、勤めていたとき、酔うと尻を出したがる後輩がいた。いまも宴会ではパンツを下ろしてケツを出しているのだろうか。
 ”近くのホテルに侵入してきれいだからと上機嫌になって寝てしまう。カラオケ店でトイレに行ったらもとの部屋がわからなくなり受付前のソファで朝まで寝る。あたりに人のいないところまで行ってちょっとだけ路上で寝る”(藤野可織)なんてことは飲み友達にはいなかった。否、車道の中央にある進入禁止エリアで寝ることに大学時代はスリルと快感を覚えていたという同僚が一人いた。
 酒を飲み始めたのはいつだったか、高校3年の時には部屋にウィスキーがあった。煙草もあった。高校1年のときにクラスの友人の自宅に行ったら彼の母親がビールとグラスを3人分持ってきて一緒に飲もうと勧められたことがあった。もちろん飲んだが、お替わりをしたかどうか、注ぎ足してくれたのかどうかまでは覚えていない。

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