2016年9月2日金曜日

妄想

 メダカが泳いでいる透明な水の小川にヒノモトクニがあって、ある日そこに赤毛の大きな人が来て、小川の側でドシンと足踏みをしたら、メダカたちはびくっとしていっせいに身を翻した。群れをなして泳ぐメダカたちはそれからその足踏みを気にするようになった。メダカたちには年齢の違いがあるのだが、コーンパイプを口にする大きな赤毛人にはまだ成長していない12歳のように見えた。

 小川にはコッカイ学校というメダカ学校があるのだが、誰が生徒か先生か、よく判らない学校である。学校の各クラスの人数は平均化されておらず、沢山の生徒がいるジミンクラスが一番勢力を握っており、次にミンシンというクラスがある。コメというクラスは3番目に多い生徒がいるが、小川の支流で固有の文化を育んでおりジミンクラスの分校のような位置を保って泳いでいる。ジミンクラスにはPTAのように振る舞う強力なメダカグループが背後にあり、学校の校則を変えようとしているがなかなか上手くは進んでいない。
 キョサンやイシンなどなどいろんなクラスがあって、時には小川の中で離散習合を繰り替えしている。

 ジミンの級長はコッカイ学校の生徒会長であり、再来年まで任期があるのだが、いまから会長職を延長させようとの動きもある。現在オロシア学校などに行って小川の北部地方のあり方などの話し合いをしようとしているようだ。
 一方、ミンシンクラスはいつもジミンクラスに対抗して生徒会長を奪い取ろうとしているのだが、一度大失敗をしているのでなかなか奪還できないでもがき続けている。そしていまクラスの長を選ぼうとしているのだが、何だろう、結局は学校のありかたではなく、学級委員長を決めるだけの矮小なクラス選挙になっているように見えてしまう。

 雨が降り、風が吹いて水面が荒れるときもあるけれど、小川に住むメダカたちはいつも嬉しそうで、水に流れてつーいつーいと泳いでいる。みんながそろってつーいつーい。

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