2017年8月12日土曜日

日々是好日ヵ

 今日もまた昼から「飛露喜」を飲む。前回と同様に新島で買った“くさや”を肴の一つにした。これとぐい飲みを片手に部屋から出てデッキに座り、“くさや”の臭さを部屋に残さないようにしている。右手にぐい飲み、左手にくさや、誰かが観ていれば女房に叱られて外飲みしていると誤解されそうである。
 ビール500ccとこの日本酒2合で睡魔に襲われてしまった。「太平の眠りを覚ます上喜撰たった4杯で夜も眠れず」といった緊張感はまったくなく、「たった2合で昼に爆睡」という体たらくである。

 スーパーのレジにて。
 「買い物袋はお持ちでしょうか」とレジの女性。
 「はい、ここに持っています。というか女房殿に持たされています」と68歳の男性。
 「あら、お優しいんですね」
 「いえ、いえ、年をとれば女房殿には丁重に接するのが一番です。年齢を重ねてから恙なく生きていくためにはたとえ演技でもそうするのが一番です」
 「いいですね、うちの主人もそうなってくれるかしら。なってくれるといいんですけど」
 「そう仰るにはまだ早いんじゃないですか」と彼女は若く見えてると暗に言う。
 彼女、察したのか、「いやもう近いですよ」
 永六輔の新書に書かれていたことを思い出しながら、「若いときはちゃぶ台をひっくり返しても、年をとってからは奥さんと手をつないで歩いている人もいて、それが年齢を重ねた“生活の知恵”というらしいですよ。いや、私はちゃぶ台をひっくり返したことはないですけれどね」。ふと思った、彼女ちゃぶ台って何なのか知っているのかと。
 レジで支払いを済ませるとき、彼女はニコニコして「ありがとうございました」
 「余計なことを言いました。ごめんなさい。これから女房殿がトイレから帰ってくるまでに、この袋にちゃんと入れて待つことにします」
 女房殿、大きなものを出したのか、身も軽くすっきりした顔つきで歩いてきた。

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