2018年8月6日月曜日

文化史のお勉強

 <アルテール他/藤田真利子他訳 『体位の文化史』(作品社、2006年)>:飯田橋の法政大学キャンパスにスクーリングで通っていた頃、家に帰る途中によく有隣堂 ヨドバシAKIBA店に寄っていた。その頃は店内が今よりは広く且つ多岐にわたる本が棚に並んでいた。作品社の「異端と逸脱の文化史」シリーズも並んでいた。それらの書名を記すのにはちょいと躊躇いを覚えるのであるが、次の様なものである。すなわち、『ヴァギナの文化史』・『ペニスの文化史』・『お尻とその穴の文化史』・『マスターベーションの歴史』・『オルガスムスの歴史』・『ビデの文化史』・『乱交の文化史』などである。シリーズの中で手に取ったのは他の書名よりはなんとなく高尚な文化史の香り漂う(?)本書『体位の文化史』である。
 内容はというと、体位に関する人間の歴史を述べるものであり、いろいろな体位の写真や図がたくさん載っていて他人のいる前でページを捲ることは出来ない。そもそも表紙自体が行為そのもののインド・ムガール帝国の細密画である。まあ、人間のやることは本質的には何も変わらず、変化を重ねるのは快楽へのあくなき追及であり、一方、権力による統制や禁制があれば尚更にそれは濃密化して非日常の領域に入っていく。
 男性の陽物を咥えて快楽を得る行為は人間にしかないが、女性に施す方男波は人類以外にも広くあるらしい。それらも体位の中に入っており、付録には<フランスの聖職者に捧げる愛の四十手>が、日本の<性技四十八手裏表秘考>があり、それらの一つ一つに付けられた名称が滑稽でもあり薀蓄もうかがえて面白い。最後は訳者のあとがきで結ばれている、「最後に、本書を読んで実地研究をしようとする探求熱心な読者の方、筋を違えたりなさいませんようどうぞお気をつけて」と。

 3日、暑い中飯田橋にでかけて17:00より飲む。年齢のせいか暑さへの耐力が減退してきた気がする。酒量も以前よりは減っている。

0 件のコメント: