2020年1月24日金曜日

本の購入、家具の音楽、文庫本2冊

 新聞の広告や書評で目にとまり、また、テキストの参考文献に掲載されている図書などに興味を引かれてはそれらの本をメモしておき、購入する。そして未読のままになっている本が数百冊も自室に鎮座している。そんな状況にあるのにまたもや悪い癖が出た。
 頻繁に使うクレジット・カード某加盟店のポイントが貯まり、酔った勢いもあって本を10冊ほど発注した(してしまった)。過去に購入した本を気の向くままに読んではいるのだが、読まなければいけないという気持ちが少しばかりストレスになっている。でも、読むことそのものが目的になってしまっては本末転倒もいいところで、自分の中で何のために読むのかと自問することも少なくない。

 今日は家に1人なのでスピーカーの音量をあげて音楽を聴きながら本に向き合った。が、BGMとして流したピアノとオーケストラに気が取られてしまい、本に集中できない。選曲を間違えた。やはりこのようなときは好きな曲ではなく、邪魔にならない、サティのいうところの“家具の音楽”がよかった。しようがなく音楽を聴くことに専念することとあいなった。

 <E.オマール 『不思議な数eの物語』(ちくま学芸文庫、2019年)>:寝る前や、中途半端に時間が空いたときなどに淡淡と読み続けた一冊。大昔に学んだ数学の知識を思い出しながら読んだ、というより眺めたという方が当たっている。高校の時や大学の頃はどうやって理解していたのだろう。“e”の発見(発明)過程などには触れずに、単にテストで得点を得るためのテクニカルな部分だけに関心を寄せていたのかもしれない。いまは、そのような刹那的な試験合格テクニカルな側面は全くないから、純粋に数学の面白さを感じている。尢も、以前学んだ範囲のごく限られたレベルにとどまっていて、それを越えようとは思っていない。過去の人生の無機的な部分を振り返っているようでもある。

 <山田英生・編 『老境まんが』(ちくま文庫、2019年)>:老境をテーマにしたアンソロジー。最も古い作品は1963(昭和38)年で、最新のものは2014(平成26)年。年齢を思えば十分に老境の域に達している自分であるが、往々にしてその年齢を意識するように務めている。

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