2017年2月16日木曜日

漫画『キングダム』を読むための副読本

 <鶴間和幸 『人間・始皇帝』(岩波新書、2015年)>:漫画『キングダム』を読んでいて、秦の歴史をもっと知っていればこの漫画は尚更に楽しめるであろうと思いこの新書を読むこととした。しかし、その前に秦の歴史の概要を知っておかなければと、最初に『中国の歴史 上』(愛宕元・冨谷至編、昭和堂、29年)で先秦と秦の時代に目を通し、次に『秦漢帝国』(西嶋定生、講談社学術文庫、1997年)で「第一章 秦帝国の形成」、第二章で秦帝国の滅亡までを読んだ。いずれも法政の通教時代に頁を開いているので復習すると言った意味合いが強い。そしてこの『人間・始皇帝』を読んだ。とても参考になったし且つ楽しめた。この本は2015年出版であり、最新の調査結果が反映されていること、始皇帝の誕生から死までを丁寧にドラマティックに描いている。巻末には各章毎に登場人物とその解説、秦の形成から滅亡までの詳細な年表が載っており、自分が持っている書籍のなかでは「秦」が最も詳しく解説されている。史料に基づいて創作されている『キングダム』を読むときは、この『人間・始皇帝』を横において参照しながら読めばより楽しめると思う。

0 件のコメント: