2019年3月4日月曜日

本3冊

 <濱田浩一郎 『日本会議・肯定論!』(たちばな出版、2018年)>:自民党や安倍首相を応援している著者による主張。日本会議に抗する人たちへの論理的で濃い内容の反論かと期待したが浅い内容。読んだ時間と書籍費用が無駄だった。

 <堤隆 『ビジュアル版 旧石器時代ガイドブック』(新泉社、2009年)>:4万年前から1万5千年前までの旧石器時代に空想の羽を広げて人を思い浮かべてみようとした。有史の物語は数千年しかなく、それよりも遙かに長い間、ヒトは石器を手にして活動してきた。気の遠くなるような、繰り返される原始的生の営みはどんなものだったのだろう。描かれる絵に妙に現代を感じてしまう。

 <堤隆 『黒曜石 3万年の旅』(NHKブックス、2004年)>:黒曜石そのものの物語であり、著者の黒曜石を追う物語でもある。随分前になるが、黒曜石を実際に手に取って見たときは漆のような光沢(江戸期には漆石とも呼ばれた)、ナイフのような刃に魅せられた。
 石器と言えば、2000年の毎日新聞スクープの「前・中期旧石器遺跡捏造事件」が思い出される。あの問題の中心は個人の異常性にあるが、実態はそれを取り巻く組織としての未熟さ愚かさを露呈していた。その構造はいまも連綿と続いている、否、増幅されている。

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