2015年9月22日火曜日

ラグビーの小説など

 RWC2015で日本代表が南ア代表に勝利したことに触発され、本棚に寝かせてあるラグビー関連の本を確認してみた。その中からラグビーを物語のつなぎにした小説、あるいはルポを3冊メモしておく。(栄光の記録とか現在進行形のルポやリポート、思い出話や啓蒙書じみた本は除外した。即ち、早稲田ラグビーを著したもの-例えば監督経験者の著作-、日本ラグビーにもの申しているもの、ラグビーの歴史を扱ったものなどは除外。ちなみに藤島大さんは大好き。)
 ①堂場瞬一『二度目のノーサイド』(小学館、2003年)。2010年に小学館文庫で読む。読んだ当時は酷評。著者はラグビーを舞台にしてあと2作を出しているが触手は動かない。
 ②山下卓『ノーサイドじゃ終わらない』(エンターブレイン、2009年)。爽快感を伴ったとの読後感がメモされている。出版されたときの「2010年版このミス」ではアンケート対象者72名のうち二人がこの本をあげており15点。
 ③蟹谷勉『死に至るノーサイド』(朝日文芸文庫、1996年)。小説ではない。感動した、考えさせられた、人間の悲しみを感じた一冊。内容をAmazonから引用すると「1930年代後半、ラグビーのオーストラリア代表にブロウ・井手という日系人がいた。ふとしたことからこの事実を知った加藤広野は、その足跡をたどり始める。第二次世界大戦を戦った日本とオーストラリア。重い歴史の扉を叩いた広野を待つ「ノーサイド」とは…。92年、沖縄県具志川市文学賞受賞作」 
 ウェブで“Blow Ide”、”WPJ Ide”と打ち込めば関連情報が得られる。Ideのプロフィールは<http://130queenslandrugby.com.au/yourstories/a-tragic-loss-to-gps-rugby-club-queensland-and-australian-rugby/>に「A Tragic Loss to GPS Rugby Club, Queensland and Australian Rugby」のタイトルを付して記載されている。また、<https://www.awm.gov.au/collection/PAFU2013/048.01/>にても知ることができる。
 Tower Of Strength と称され(『死に至るノーサイド』183頁)、戦後1970年までBlow Ide Memorial Cupが開催されていた(同184頁、および上記Australian War MemorialのHP)。
 Ideを主題とした映画『君はノーサイドの笛を聞いたか?』があるようだが、商業映画ではなくDVD情報も見つからない。観てみたい。また、著者は「ゲインラインまで」なる作品もあるようだが刊行本or掲載誌が見つけられないでいる。
 定年退職前に勤務していた会社の同じ部署の後輩に、九州某県の某有力高校ラグビー部でフランカーだった(かな?)人がおり、彼にこの本を貸して返却される際、涙が出てしようがなかった、という言葉が添えられた。