2015年9月2日水曜日

何度目かのL/O変更、読書など

 今年になってから何度目かのレイアウト(L/O)変更。PC周りのオーディオ機器を左側にまとめ、レコードプレーヤーも操作しやすい位置に移動し、テレビも移動。小さな音響パネルもスピーカーの背後と左右に追加し、そのフット部分の大工仕事もあったので結局二日がかりとなってしまった。

 <鯨統一郎 『笑う忠臣蔵』(光文社文庫、2014年)>:副題は「女子大生桜川東子の推理」の短編集。焼酎の紹介や、昔の俳優・映画・ドラマ等の薀蓄が各編の冒頭に書かれているつまらない一冊。前に読んだ短編集には日本酒の紹介があったのだが、今回は焼酎になっている。つまらないのではしょりながら目を右から左に動かしたに過ぎない。

 <水島吉隆 『写真で読む昭和史 占領下の日本』(日経プレミアシリーズ、2010年)>:新書であり写真も豊富に示されているため文章で綴られる量はかなり制限されている。しかし、要点が簡潔に解りやすくまとめられており、次のステップに進むための参考となった。
 冒頭に「日本4カ国共同統治案」の日本分割地図が載っており、USAがUSSR要求を拒絶しなければ44頁のコラムにあるように「東日本社会主義人民共和国」が誕生していたであろう。戦争に負けるとはこのように領土が奪われることであり、戦争で領土を奪うことができる。そしてまた領土問題は戦争でしか決着がつかないものである。
 コラムも参考になる。そのコラムの中から一つ、マッカーサーに日本人が推定507万通もの手紙を書き送ったことについての袖井林二郎の分析に得心する。「権力者と対決することなく一体化するというこの行動様式は、占領期に初めて見られたのではなく、他に逃げ場のない島国日本に、あるいは封建的集落という小宇宙に長い間生きてこざるを得なかった日本民族にとって、ほとんど本能化していたのではないか」と袖井は考えている。日本人の行動パターンを語るつもりはないし、語れる知識も論理も身につけていないが、「支配者に同調する」傾向は組織の中にみることが容易である。「支配者」を「上司」あるいは「上位者」などに置き換えればいいことである。しかし、同調した人をを安易に批判することはできない。なぜならこっちもこの日本の中でどこかに妥協し同調して生きてきたのであるから。

 <佐藤優 『読書の技法』(東洋経済新報社、2012年)>:大学通教に在籍していたとき、リポートや卒論のテキスト類を読むときの参考にした。ラフなつまみ読みだったので改めてちゃんと目を通しリフレッシュを図る。

 <--- 『ビッグコミックオリジナル 戦後70周年増刊号』(小学館、2015年)>:近くの書店にまだ2冊あった。印象に残る作品は「ホームルーム」(戦前の愚かさとステレオタイプの戦後民主主義の滑稽さと皮肉)、「光る風」(収録されているのはほんの一部。すぐに『ジョニーは戦場へ行った』と若松孝二監督作品「キャタピラー」を思い出す)、「さよなら憲ちゃん」(作者石坂啓の言葉を”http://blogs.yahoo.co.jp/alfmom29/39789507.html”から孫引きする:「主人公は日野マル子、彼氏が憲ちゃんと言ってイイ男なんです、やさしくてオトナでカシコくて平和的で、仲良くやってたわけですよ。そこに下衆のキワミというかシンちゃんと言う野郎がやって来てですね、こいつが無作法に野蛮にアタマ悪そうに横柄にコズルく卑怯にに、積極主義的に主人公に迫ってくるわけで…」 ダジャレ的に遊んでいるとも感じられる。)、あとは省略。

 <浦沢直樹 『BILLY BAT⑯』(講談社、2015年)>:ストーリー全体およびビリーバットに対してまだ奥歯に物が挟まったようにすっきりせずにいる。

 <安彦良和 『天の血脈6』(講談社、2015年)>:安積は内田良平の力で窮地を脱し、舞台は伊藤博文が統監を務める朝鮮半島に移った。