2018年6月14日木曜日

佐藤オリエさんのレコード

 51年前の18歳、高校3年生のときに1枚のEP盤レコード(東芝EXPRESS)を購入した。ジャケットに挟まれてレコードを入れた袋があるのだが、その裏には多くの歌手たちの写真が並べられていた。そこに佐藤オリエさんの写真もあったような気がする。もしかしたら同封されていたチラシだったのかもしれない。彼女の歌う曲がヒットしたとは全く耳目に触れもせず、まして会津若松神明通りにあるレコード店の店頭にあるはずもなく、400円のレコードを取り寄せることもしなかった。当時から彼女のファンであった。いまでも一番好きな女優さんは誰かと聞かれると佐藤オリエと応えている。

 時を経て、10数年前に「若者たち」三部作のDVDセットボックスを購入した。その頃から佐藤オリエさんが出ている映画やドラマをDVDで見ていた。特に「ながらえば」(1982年)は好きなドラマである。大学卒業後に住んだ富山や、想い出が詰っている高山本線が舞台であることも相俟って、思い入れの強い作品である。
 映画「非行少女」(1963年)も和泉雅子ではなく、高校生姿の佐藤オリエを見るために見ており、彼女の出るシーンだけをピックアップしてDVDに落とし込んでいた。

 英亜里のCDをネットで探した後、佐藤オリエさんのレコードももしかしたらヤフオクやYouTubeにあるかもしれないと探した。レコードは見つかったがどうも質が劣化していそうなので購入する気が起きなかった。が、そのときに初めて知った曲名でYouTubeを探したら一つだけ見つかった。18歳の時にレコード店に発注しておけばよかったと、30歳半ば頃から時折思い出しては後悔していたがやっとその曲に触れることが出来た。そして初めて聴いた。DLして編集して自分のライブラリーに加えた。
 曲そのものは「若者たち」当時の雰囲気が充満し、ギターが流れる曲はブルーベル・シンガーズ「昭和ブルース」と相似している。佐藤オリエさんの歌は、映画の台詞の延長線上にあるような味わいがある。まだ若かったころに好きになった気持ちを思い出させてくれる。曲は「オリエと歩こう」と「海に眠りなさい」。でも、この曲だけが彼女のレコードなのか、ほかにはないのか(山本圭との朗読はあるが関心が薄い)、高校3年の時に知ったというのが正しい記憶なのか自信がない。高校生時代に購入したレコードも今は残っていない。

 今になって昔を思い出すことが多いのはなぜだろう。年齢を重ねていろんなことを見聞き体験し、現在の世の移ろいにさして感動も憤りを覚えることがなくなっている。日大のニュースも、米朝会談も全体的に見れば茶番と思え、茶番は真実よりも耳目を集めると捉えている。ならば、そんなことは措いて、自分の過去を振り返り、その上で己は何者だとちょいと考えるのがいいことなのかもと思う。

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