2018年7月19日木曜日

『平成を愚民の時代にした30人のバカ』

 <適菜收 『平成を愚民の時代にした30人のバカ』(宝島社、2018年)>:「改革の大合唱の中、国家の根幹である政治制度を破壊した結果、政治そのものの在り方が変わってしまい、邪悪なものが権力の中枢に食い込むようになった」。「権力は腐敗する、専制的権力は徹底的に腐敗する」(ジョン・アクトン11頁)のだが、佐高流に言えば腐敗している人間が権力を欲しがるのであって、腐敗している権力者は群れて権力は集中する。これはもう人間社会の宿命であろう。
 バカと断定されるものは、筆頭に安倍晋三。「食事のマナーは、同じ人間とは思えないくらい下品」で「拉致問題などを利用しながら世の中を渡ってきた出来損ない」で、「精神の成長が止まったガキ」がバカメディアに支えられたのが安倍政権でした」と罵倒されている。「天性のデマゴーグ」である橋下徹、「時代と寝た古だぬき」の小池百合子、「文明が相手にしてはいけない」小泉純一郎、「日本を破壊した”壊し屋”」で「まだ懲りていない」小沢一郎、パソナ取締役会長の竹中平蔵、「政治家失格どころか日本人失格」の「簡単な漢字も読むことができない」、「非常に悪質なアホ」の麻生太郎。彼の誤読する漢字と誤読例が載っているのが面白い。踏襲(ふしゅう)・詳細(ようさい)・頻繁(はんざつ)、有名になった未曾有(みぞうゆう)とあげられている。他には措置・物見遊山・思惑・怪我・完遂・焦眉・順風満帆・低迷・破綻・前場・有無・三種の神器がある。麻生太郎はこれらの漢字をどう読んだのでしょうかというクイズはシニカルで楽しめるであろう。続けて「目つきもおかしい。森の奥で花粉を集め、毒をつくっていそうなタイプ」の菅義偉、「空気に担がれた無能な神輿」細川護熙、「北朝鮮利権のための実働部隊」土井たか子、「天然のポピュリスト」石原慎太郎。あとは名前だけを書く。橋本龍太郎、小泉進次郎(田中真紀子は「30年前の安倍さん、30年経ったら今の安倍さんになる子ね」と指摘している-135頁)」。鳩山山由紀夫、菅直人、前原誠司、河野洋平、渡辺喜美。「犯罪者集団「維新の会」の大バカたち」としての3人は、松井一郎、長谷川豊、足立康史。商売人からは三木谷浩史、渡邉美樹。「安倍周辺の乞食ライター」に山口敬之、小川榮太郎、三浦瑠麗、ケント・ギルバート。最後はテレビ界で生き続ける田原総一朗、松本人志で終わる。結びは、「改革の大合唱の中、自分たちの足場を切り崩していった結果、日本は見事に転落した。国民は貧しくなり、国家の中枢は腐り果て、公文書の改竄が横行する三流国家になってしまった」。

0 件のコメント: